横須賀市三春町の武村洋一さん(80)がこのほど、自身の60余年のヨット人生を振り返る著書「古い旅券」(発行所・エスアイピー)を出版した。武村さんはこれまでの経験を基に、ヨットの素晴らしさを伝えている。
幼少のころから海に親しんでいた武村さんは、旧制横須賀中学校から早稲田大学高等学院へ進学。早大時代はヨット部に所属し、全日本インカレで優勝、伝統の早慶戦などで活躍した。1952年の東北3県国体では、2人乗りのスナイプ級で頂点に輝いた。
卒業後は外洋ヨット界に転じ、数々の国内外レースに参加。2001年から08年まで日本セーリング連盟事務局長を務めた。
著書は、1968年に横須賀市の久里浜港から外洋ヨットで香港に向かい、国際レース「チャイナシーレース」に臨んだ様子や、航海中のさまざまな出来事を詳細につづっている。さらに、チームスタッフとして参加した世界最高峰の国際ヨットレース「アメリカズカップ」なども振り返っている。
武村さんは今なお、ヨットに乗り続ける。著書に記された「海こそ冒険心と創造性を学ぶ偉大な教室だ」との思いは変わらない。「ヨットというスポーツは年齢も男女の差別もない。日本は海洋国家なのだから、もっと楽しんでほしい」と、さらなる競技普及を願っている。
買い求めなどの問い合わせはエスアイピー電話03(6450)1463。
【神奈川新聞】