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神奈川フィルが公益財団に、債務超過乗り越え存続

カルチャー | 神奈川新聞 | 2014年3月20日(木) 05:30

楽団員に県から受けた認定書を見せる大石修治専務理事 =かながわアートホール
楽団員に県から受けた認定書を見せる大石修治専務理事 =かながわアートホール

神奈川フィルハーモニー管弦楽団(横浜市中区)の存続問題で県は19日、同楽団を公益財団法人に認定した。法人化を目指して官民から広く寄付を募り、財政再建を進めた同オーケストラの存続が、正式に決まった。4月1日から、新体制でスタートを切る。

神奈川フィルは人件費の圧迫増などで約3億円の債務超過に陥っていた。その上、2008年の公益法人制度改革で、13年11月末までに公益法人に移行申請できなければ税制の優遇を受けられず、存続が危ぶまれる状況にあった。法人移行の条件は、純資産300万円の保有。債務超過の解消が、法人認定への絶対条件だった。

この窮状に11年2月、県や横浜市、県内財界などは協力して日本初となる官民一体のマッチング方式による寄付制度「ブルーダル基金」を設立。精力的に寄付を募った結果、13年7月には債務超過を解消できる見通しとなり、翌8月に県に法人申請をした。現在までに集まった基金は、4億6千万円に上る。

認定された19日、同楽団の大石修治専務理事は横浜市保土ケ谷区の同楽団練習場で行われたリハーサルで、無事に法人認定されたことを楽団員に発表した。大石専務理事は「厳しく長い道のりだった。感無量だ。引き続き支援は必要だが、甘えず自立しながら演奏技術でトップクラスを目指したい」と意気込んだ。

また、同楽団の常任指揮者を5年間務め、今月退任する金聖響さんは「在任中に実現できうれしい。これからも気を引き締めて一生懸命やり、観客を笑顔にしてほしい」と話した。

●解 説●

神奈川フィルハーモニー管弦楽団が「不可能」ともいわれていた債務超過の解消を実現し、公益財団法人に移行することができた。最大の要因は、ブルーダル基金で官民の幅広い協力を得られたことにある。寄付文化が根付いていない日本のクラシック業界において「きわめて異例」(日本オーケストラ連盟)な出来事といえる。

強い「地元力」が集結された理由には、楽団の変化がある。この間、楽団員の給与カットなどによる慢性的な赤字経営からの脱却に加え、聴衆との積極的な交流など、楽団員の意識改革を進めてきた。

だが、前途は決して明るくない。2期連続で純資産が300万円を切れば、法人格を取り消される。楽団は今後も、定期会員を増やすなど経営的な自立をさらに進めつつ、ブルーダル基金で培ったネットワークを生かして寄付を募り続ける必要がある。

事実、「がんばれ!神奈フィル 応援団」の団長としてブルーダル基金の旗振り役を務めた黒岩祐治知事も「これで手を放していい状態ではまだない。引き続き、いろいろな意味で県は支援をしていく」と話している。

今後の鍵を握るのは、技術の向上だ。神奈川は、東京都内にひしめく数々のオーケストラや海外の名門楽団など、ライバルがひしめく激戦地区。その中でいかにファンを獲得していくかが課題だ。トップオーケストラを目指し、さらなる研鑽が求められる。

【神奈川新聞】

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