秦野市ゆかりの洋画家・宮永岳彦(1919~87年)が作品を通して映し出した時代や人々の心に焦点を当てた企画展が、同市立宮永岳彦記念美術館(同市鶴巻北)で開かれている。8月3日まで。
「宮永岳彦が映した現代と人々の心」と題し、油彩画やポスター、表紙原画など計約40点を展示。
富士山や芦ノ湖を背景にオープンカーで優雅にドライブを楽しむ貴婦人を描いた箱根の観光ポスターや、色鮮やかな小田急ロマンスカーの新型車両をPRするポスターが並ぶ。
油彩画では、華やかなドレス姿の女性を水墨画的な技法で明と暗を巧みに表現した大作や、青を基調にしなやかに躍動するバレエダンサーを描いた作品などを紹介している。
銀座の百貨店の宣伝部に勤めていた宮永は銀座の街を題材に多く描いており、当時の最先端の文化やファッションを伝える作品も来場者の目を引いている。
同館の担当者は「ジャンルにとらわれずに描き続けた宮永の作品を通じ、当時の文化や時代を感じ取ってほしい。懐かしい思い出がよみがえる年配の方も多いのでは」と話している。
午前10時から午後7時まで。月曜日休館(祝日の場合は翌平日)。観覧料は一般300円。高校生以下と障害者・介護者は無料。
【神奈川新聞】