
岡本太郎記念現代芸術振興財団と川崎市岡本太郎美術館はこのほど、「第17回岡本太郎現代芸術賞(TARO賞)」の岡本太郎賞に男女2人によるユニット「キュンチョメ」が、岡本敏子賞にサエボーグさん(32)がそれぞれ決まったと発表した。受賞作品を展示する企画展は8日~4月6日に同美術館で開催される。
同賞は岡本太郎の精神を継承し、ジャンルを問わずに自由な視点と発想で、現代社会に鋭いメッセージを突きつける作品を選んでいる。今回は780点の応募から入選20点に絞り、その中から太郎賞(賞金200万円)、敏子賞(同100万円)のほか特別賞(同総額50万円)4点が選ばれた。
太郎賞の作品名は「まっかにながれる」で、米1トンと立ち入り禁止を表示する黄色いテープなどを使ったインスタレーション。東日本大震災をきっかけに作品を考えたというキュンチョメのホンマエリさん(26)は「震災以後、(原発事故で)人が入れなくなった場所ができた。それをみんな何となく受け入れているが、もっと(抵抗して)じたばたしてもいいのではないか」などと作品に込めた思いを話している。
敏子賞は作品名「Slaughterhouse-9(スローターハウスナンバーナイン)」で、ラテックス製の豚などが並ぶ牧場を舞台にジェンダーのあり方を問うている。
8日からの企画展では、入選作家によるトークショーや公開制作、サエボーグさんの作品内でのパフォーマンスなども行われる。入場料は一般600円、高校・大学生、65歳以上の方400円。詳細は同美術館ホームページ。問い合わせは同美術館電話044(900)9898。
【神奈川新聞】
