昨年11月に事実上の解散をした「鎌倉世界遺産登録推進協議会」のメンバーらが21日、鎌倉市役所で会見を開き、鎌倉の文化的価値などを研究し発信しようとする市民団体「鎌倉文化人会議」を発足させたと発表した。
発起世話人として出席したのは、旧協議会理事の高柳英麿さん(78)と同委員の香山隆さん(69)。会の事業として(1)鎌倉文化の研究(2)世界遺産登録のための活動(3)世界遺産登録のための資金募集-を挙げている。
高柳さんらは「(これまでの)『武家の古都・鎌倉』というコンセプトは、歴史的な観点が強かった」と指摘。その上で「広く文化や精神的な価値をもっとPRしたい」と発足の意義を説明した。具体的には、茶道や華道、武道、音楽、文筆などの活動を行う鎌倉にゆかりのある文化人らで月1度、勉強会を行う。市民向けの催しなども行っていきたいという。20日に開いた会合には約50人が参加。直木賞作家で名誉市民の永井路子さんを名誉会員とすることなどが決まった。
世界文化遺産への「不登録」勧告から約9カ月。再起に向けた行政側の動きが取り立ててない中で、「このまま(活動が)なくなるのはもったいないという思いがあった」と話した。
【神奈川新聞】