1. ホーム
  2. ニュース
  3. カルチャー
  4. 【ファヒム パリが見た奇跡】胸に刺さる少年の半生

【シネマ散歩】
【ファヒム パリが見た奇跡】胸に刺さる少年の半生

カルチャー | 神奈川新聞 | 2020年8月7日(金) 20:22


 14日からイオンシネマ港北ニュータウンなどで上映。

 母国バングラデシュを追われ、政治難民として異国へと移り住んだ少年の半生を描いた伝記映画。社会問題を扱う硬派な一面と、温かな人間模様に心が揺さぶられる一作だ。

 不安定な政治情勢が続くバングラデシュ・ダッカ。身の危険を感じた父親は、8歳の息子ファヒム(アサド・アーメッド)=写真左=と共にパリに逃れる。並外れたチェスの才能があるファヒムはフランス屈指のコーチ、シルバン(ジェラール・ドパルデュー)=同右=と出会い腕を磨く。だが、滞在許可が下りない親子は強制送還の危機に直面。チェスの大会で結果を残すことが、唯一の救いの道だった。

 自信に満ちた聡明(そうめい)さと、故郷を思う繊細さを併せ持つファヒムを表情豊かに演じたアーメッドはこれが映画初出演。デビュー作とは思えない自然体の芝居で実在の人物に成りきった。

 父子を支える女性マチルド(イザベル・ナンティ)やチェス教室の仲間をはじめ、愛らしい登場人物にあふれている。一癖あるシルバンとファヒムの応酬も見もの。フランスの名優ドパルデューはベテランの風格が漂う存在感。独特の間とせりふ回しでユーモアをちりばめた。

 路上生活も余儀なくされた親子。功績を残すことでしか苦境から逃れられない現実が胸に刺さる。「フランスは人権の国なのか」。映画終盤、このせりふが重く響いた。

監督/ピエール・フランソワ・マルタン・ラバル
製作/フランス、1時間47分

映画に関するその他のニュース

カルチャーに関するその他のニュース

PR
PR
PR

[[ item.field_textarea_subtitle ]][[item.title]]

アクセスランキング