他にはない神奈川のニュースを!神奈川新聞 カナロコ

  1. ホーム
  2. ニュース
  3. カルチャー
  4. 将棋のはなし(168)身に染み付いた考える習慣

日本将棋連盟指導棋士五段、本紙将棋担当記者
将棋のはなし(168)身に染み付いた考える習慣

カルチャー | 神奈川新聞 | 2020年7月31日(金) 19:44


【2020年7月26日紙面掲載】

 藤井聡太新棋聖が誕生したが、当欄はマイペースに今回はオセロの話。

 先日、将棋担当の菊地裕太記者とオセロを打った。彼は実戦経験ゼロの超初心者である。

 黒番(先手)の菊地記者は初手から長考に沈んだ。これだから将棋の強い人は困る。考える習慣が身に染み付いており、初見のゲームでもとりあえず適当に着手するということができないのだ。

 でもオセロの初手は4択で、初形は上下左右対称だからどこに打っても全く一緒なんだけどね。

 私の快勝に終わり、2局目はハンディを付けることに。隅2カ所に彼の石を置いた状態から始めてみた。将棋だと6枚落ちくらいの手合かな。

 互いに「これで負ける訳がない」と思っている勝負は、私のポカで大差に。「途中で投了しようかな」とつぶやくと「ダメです。最後に石を数えるのが楽しみなんだから」と返ってきた。無邪気な初心者という感じで、将棋と違って敗者への気遣いがないのが面白い。

 勝って当然のような顔をしているので、同じ手合で再戦。今度は私が完勝した。そして翌週にも2連勝。どうだ参ったか。

 1局30分以上かかる長い戦いだった。打ちながらセオリーを教えると吸収が早く、異常なスピードで上達していた。誰とは言わないけど、一時期熱中していた文化部のYさんやNさんなんて相手にならないだろうな。

 追い抜かれる日が怖い。お願いだからオセロにのめり込まず、将棋の仕事に励んでください。

 
 

に関するその他のニュース

カルチャーに関するその他のニュース

PR
PR
PR

[[ item.field_textarea_subtitle ]][[item.title]]

アクセスランキング