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秦野の元中学校長・武勝美さん
全国の道祖神を調査 記録集続刊出版へ

カルチャー | 神奈川新聞 | 2018年10月22日(月) 13:48

完成した「道祖神の里めぐり」を手にする武さん=秦野市寺山
完成した「道祖神の里めぐり」を手にする武さん=秦野市寺山

 秦野市在住の元公立中学校校長、武勝美さん(82)が22日、2016年8月から今年8月までに訪れた約50市町村の道祖神の写真と住民から聞き取った逸話を収めた記録集を出版する。05年から続く全国調査の集大成となる作品で、武さんは「県内だけではなく、日本中の道祖神を次の世代に伝えていきたい」と話している。

 記録集は「続 Katsumi In 道祖神ワンダーワールド 道祖神の里めぐり」(夢工房刊)。道祖神は悪霊を防いで旅人を守り、場所によっては村に病の侵入を防ぐ神として知られ、「さえのかみ」とも呼ばれる。武さんは00年ごろ、知人の女性から秦野に道祖神が多く存在することを指摘され、約310の道祖神が集中することを知って興味を持ち、全国調査を始めた。

 05年から厚木や小田原のほか、北海道や鳥取県などを訪れ、道祖神の形状や造られた時期を写真入りでまとめ、16年6月に「Katsumi In 道祖神ワンダーワールド」(夢工房刊)を出版した。教育個人紙を発行している経験から、取材や執筆、レイアウトを1人でこなした。

 今回の続編では県内をはじめ、道祖神が多いとされる長野、群馬、静岡、新潟県などの計約50カ所を訪ねた。千葉県酒々井町にある男女の神が1本の杖(つえ)を握る丸彫りの「杖持ち双体像」、新潟県長岡市の音子(おんご)神社で毎年8月に泥で作る「ちょんぼ地蔵」の制作風景など、約200点を超える多様な道祖神の姿といわれを収めた。秦野市内の各地区で行われる「道祖神まつり」も写真と文章で掲載している。

 05年から計137カ所を訪れており、「道祖神が集まっている全国の『里』の訪問は終えた。これからは単体の道祖神を探したい」と武さん。新たな記録集について「道祖神は千姿万態で、さまざまな形と心を持つところに引かれる。地域の生活を伝える道祖神に興味を持つきっかけになってほしい」と話している。

 B5判、128ページ。2千円(税別)。市内書店での販売も予定している。問い合わせは、武さん電話0463(81)4276。

 
 

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