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街頭50年、米寿の舞い 大道芸人ギリヤーク尼ケ崎さん、8日に新宿で

カルチャー | 神奈川新聞 | 2018年10月7日(日) 02:00

「よされ節」を一緒に踊った後、互いをいたわるギリヤークさん(右)と黒田さん=5月19日、横浜市神奈川区の六角橋商店街
「よされ節」を一緒に踊った後、互いをいたわるギリヤークさん(右)と黒田さん=5月19日、横浜市神奈川区の六角橋商店街

 「祈りの踊り」を国内外で披露し、神奈川でも親しまれてきた大道芸人ギリヤーク尼ケ崎さん(88)が8日、東京・新宿公演で街頭デビュー50周年の節目を迎える。オリジナルの演目の一つで、観客が飛び入りで一緒に踊る「よされ節」を楽しみにしている老パフォーマーがいる。「ホイト(乞食)芸」と自ら呼ぶ独特の芸を披露している黒田オサムさん(87)だ。盟友の2人は、互いに体をいたわりながら大道芸を追究するつもりだ。

 北海道生まれのギリヤークさんは1968年10月に東京・数寄屋橋で初公演を果たした。新宿をホームグラウンドに横浜や神戸など全国の街頭を転々としながら、25歳で亡くなった妹を供養するために創作した代表作「念仏じょんがら」などを披露。米・ニューヨークやフランス・パリでも公演を成功させ、「鎮魂の舞」と評される独自の境地を切り開いた。

 黒田さんは街角でパフォーマンスを披露しながらギリヤークさんと同時代を歩んできた。「投げ銭」を生活の糧にする盟友として付き合いは古いという。「出会ったのは上野公園か、原宿の神宮橋か、あるいは渋谷のハチ公前か…」。ギリヤークさんの公演があると聞けば会場に駆け付けた。

 ギリヤークさんは今年5月、横浜市神奈川区の六角橋商店街での公演で、観客を誘ってコミカルに踊る「よされ節」を披露。そこに黒田さんが飛び込んできた。2人は途中で転んだが、そのまま楽しそうに踊り続けて会場は盛り上がり、投げ銭が乱れ飛んだ。

 ギリヤークさんは、手足が震えるパーキンソン病に加え、背骨が曲がる「脊柱(せきちゅう)管狭窄(きょうさく)症」なども患い、不自由な体を押して公演を続けてきた。

 その姿を間近で見てきた黒田さん。「一生を通して一つの芸をずっと演じてきたことは素晴らしい。体が思うように動かなくなっても芸に味が出てくる。ますます素晴らしい」と話し、ともに芸を究める覚悟を示してみせた。ギリヤークさんは神奈川新聞社に寄せた手記で「2年先の90歳迄(まで)頑張ります」と意欲を新たにしている。
  ◆
 街頭デビュー50周年となる記念公演は8日午後2時ごろから、東京都新宿区の新宿三井ビル「55ひろば」で披露する。観覧無料。投げ銭歓迎。

 
 

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