寒川町宮山の寒川神社(利根康教宮司)境内の特設能舞台で15日、相模薪能が行われた。かがり火の下での幽玄世界に約1500人が見入った。
平和を祈念する神事能として1970年から毎年終戦の日に開催しており、今年で49回目。上演に先立ち、戦没者を追悼する一連の神事が執り行われ、観客も黙とうをささげた。
演目は観世流の能「逆矛(さかほこ)」(観世喜正さんほか)、「大瓶(たいへい)猩々(しょうじょう)」(中森貫太さんほか)と、和泉流の狂言「樋(ひ)の酒」(野村萬斎さんほか)。せみ時雨の中、鼓の音や独特の掛け声が響き、洗練された伝統の様式美の世界が繰り広げられた。