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映画ポスター展 世界観を伝える各国のデザイン

カルチャー | 神奈川新聞 | 2018年8月9日(木) 02:00

日本初公開の西ドイツ版「七人の侍」のポスター(右)=国立映画アーカイブ
日本初公開の西ドイツ版「七人の侍」のポスター(右)=国立映画アーカイブ

 映画の世界を魅力的に表現したポスターを集めた展覧会が、鎌倉と東京で開かれている。日本をはじめ世界各国の特色あるポスターが並び、国ごとに異なる特徴や味わいを堪能できる。

国立映画アーカイブ “クロサワ”をビジュアル


 今年4月の開館を記念した国立映画アーカイブ(東京都中央区)の「没後20年 旅する黒澤明」展は、黒澤明研究家、槙田寿文のコレクションによる30カ国84点の黒澤作品に関するポスターを紹介。欧米や東欧、ブラジル、タイ、イランといった海外のポスターを作品ごとに展示している。

 黒澤監督は1943(昭和18)年にデビュー。「羅生門」で51年のベネチア国際映画祭金獅子賞を受賞し、世界に知られるきっかけとなった。

 「七人の侍」の一角には14点のポスターが並ぶ。西ドイツのポスターは、グラフィックデザイナーのハンス・ヒルマンによる。8枚組みの巨大なポスターは日本初公開。村を守るために雇われた侍たちと野武士らが雨の中で決闘するシーンを描いており、シルエットとなって入り乱れる人物を赤や緑、青などで鮮やかに色分けし、躍動感たっぷりにダイナミックに表現した。

 黒澤監督が著名になると同時に、主演の三船敏郎も黒澤映画の顔として知られていった。「用心棒」の米国のポスターは、黄色い背景に、黒一色で三船の顔を描いた意匠が目を引く。

 同アーカイブの岡田秀則主任研究員は「よく“世界のクロサワ”といわれるが、それがどのようなものだったのかを、海外のポスターというビジュアルな形で見ることができる。映画のエッセンスを1枚の紙にどう表現するのか、苦心する様子も伝わってくる」と話した。

 ※9月23日まで。8月6~12日と9月3~7日、月曜休館。一般250円、大学生130円。問い合わせはハローダイヤル03(5777)8600。

鎌倉市川喜多映画記念館 楽しい多彩な表現


 街角の芸術として世界各国のポスターを紹介しているのは、鎌倉市川喜多映画記念館(同市雪ノ下)の「魅惑の映画ポスターデザイン」展。戦後を中心に100点を展示し、社会情勢や流行と密接に関係した制作ぶりや多様なデザインを伝える。

 旧共産圏のポーランドやチェコのポスターは「グラフィックアートとして成り立つほど、デザインが飛び抜けている」と話すのは同館の企画担当・馬場祐輔。


フランスの映画ポスターが並ぶ一角=鎌倉市川喜多映画記念館
フランスの映画ポスターが並ぶ一角=鎌倉市川喜多映画記念館

 デザイナーのヤン・レニツァによる「水の中のナイフ」(ロマン・ポランスキー監督)のポーランド版ポスターは、3人の登場人物を魚に置き換えて描く。緊迫した人間関係を示唆する配置など、凝ったデザインがユニークだ。

 フランスには劇場やダンスホールなどの伝統的なポスター文化があり、街中でも一瞬で目を引く大判ポスターが主体。「美女と野獣」(ジャン・コクトー監督)は、野獣の恐ろしい顔やはかなげなベルの横顔を流麗なタッチの絵で描き、映画の世界観を伝える。

 日米では主演俳優の顔写真や名前、キャッチコピーを入れるといった制約が多い。いかにも商業的だが、制約の中で工夫する様子がうかがえる。

 1点ずつ見ていると、映画の内容をダイナミックに伝えるものやイメージで連想させるものなど、多彩な表現が楽しめる。

 ※9月17日まで。月曜休館。一般200円、小・中学生100円。問い合わせは同館電話0467(23)2500。

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