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青色文庫-其四、恋文小夜曲-
古民家で響く恋物語 劇団「青☆組」13日から都内で公演

カルチャー | 神奈川新聞 | 2018年7月11日(水) 18:19

「この行がとても大事なので、慌てないようにしましょう」。俳優に細かく指導する吉田小夏=東京都内の稽古場
「この行がとても大事なので、慌てないようにしましょう」。俳優に細かく指導する吉田小夏=東京都内の稽古場

 横浜市出身の劇作家吉田小夏主宰の劇団「青☆組」が13~19日、「青色文庫-其四、恋文小夜曲(さよきょく)-」と題した公演を東京都内の古民家で開く。主題は、恋と手紙。俳優の吐息やきぬ擦れも聞こえてきそうな静閑な畳の部屋が、人を慕う言葉で満たされる。演出の吉田は「少し世知辛い毎日。人を思う気持ちに触れ、一緒にほっとしてもらえたら」と話す。

 大正時代の5人の文豪が書いた実在の恋文を俳優が読み上げる第一部と、劇団の過去の戯曲から恋や手紙にまつわるせりふを吉田自ら抜粋し、再構成した短編集の第二部で構成。希望を感じられる内容にしようと恋物語をテーマにした。


 抽象的な舞台や時代設定がクリアな群像劇など、吉田オリジナルの幅広い作品を手掛ける青☆組。「青色文庫」は、演劇と文学の相性のよさを楽しみつつ日本語の魅力に触れることをコンセプトにしたシリーズ。本公演は4弾目となる。

 文豪の恋文を集めたところ、吉田の琴線に触れたのはいずれも大正時代のものだった。「不思議な巡り合わせ。今の私たちの言葉の感覚に近い文体で、全く古く感じない」という。

 文学者ならではのロマンチックさもあれば、意外な滑稽さにも出合える。「大作家だけど、恋文に関しては一市民。社会の肩書から離れたところでつづられた一つ一つの言葉が面白い」と魅力を語る。


 俳優が椅子に座り、単行本サイズの台本を手にせりふを読み聞かせる。シンプルな舞台だからこそ、チェックも細かい。都内の稽古場では、演者の息遣いや間、視線を落とすタイミングなどを、吉田が入念に指南していた。

 第二部で披露する過去作品の再構成は劇団にとって初の試み。吉田は「古民家の落ち着いた空間の中で、色とりどりのせりふを集めた『言葉の花束』をゆったりと味わってほしい」と呼び掛けている。

 会場は東京都新宿区の古民家ギャラリーゆうど。上演時間やチケット料金の問い合わせは青☆組☎080(3385)1586。


 
 

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