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劇団四季「ノートルダムの鐘」
「人は平等」当たり前を伝えたい ヒロイン役の岡村美南さん

カルチャー | 神奈川新聞 | 2018年6月8日(金) 14:10

岡村美南さん
岡村美南さん

 ビクトル・ユゴーの小説やディズニーの長編アニメ映画で親しまれてきた「ノートルダムの鐘」-。劇団四季(横浜市青葉区)のミュージカルでも2016年の初演以降、人気作品となり上演が続いている。100回以上ヒロインのエスメラルダ役を演じてきた同劇団の岡村美南(みなみ)に、作品の魅力を聞いた。

 富山県出身。中学生の時に劇団四季の舞台を見てミュージカルの世界に憧れた。高校卒業後、米国の大学に進学。本場の空気に触れながらミュージカルの基礎を学んだ。

 「アメリカにはさまざまな人種の人たちがいて、一人一人信じるものが違う。極端な善悪だけで物事は捉えられないと、身に染みて感じました」。「ノートルダム-」も、一人の人間が抱える光と闇の部分を繊細に描いていると、海外での経験を重ね合わせている。

 09年に同劇団の初舞台を踏み、「ウェストサイド物語」のアニタ役、「ウィキッド」のエルファバ役など、心の強い女性を多く演じてきた。ロマ民族の踊り子として生きるエスメラルダ役も「役者としても、人としても自分を成長させてくれる」と思いを込める。

 心に残るせりふがある。「あなたがしてほしいことを、あなたがしてあげたらどうかしら」-。権力を振りかざして人々を支配するノートルダム大聖堂の大助祭フロローに、彼女が投げかける言葉だ。

 「人は皆平等だと思っているからこそ、地位が高い人にも気後れすることなく発言できる。彼女のせりふに気付かされることがたくさんあります」

 身体に障害がある主人公のカジモドが民衆から差別されるシーンでは、エスメラルダだけが彼に救いの手を差し伸べる。だが、「彼女はヒーローではないんだ」と、演出を務めるスコット・シュワルツからは助言された。

 ロマ民族として差別されてきたエスメラルダだからこそ分かる弱者への共感が、その行動の背景にはある。「彼女はかわいそうな人に手を差し伸べる優しい人ではないんです。彼女が持つ精神性を大切に演じたい」。エスメラルダの内面からにじみ出る優しさや、心の強さを自然体に演じることが役者としての目標だ。

 KAAT神奈川芸術劇場(横浜市中区)で8月28日まで上演中。S席1万1880円~C席3240円。問い合わせは劇団四季予約センター電話(0120)489444


ミュージカル「ノートルダムの鐘」の一場面から=(C)Disney
ミュージカル「ノートルダムの鐘」の一場面から=(C)Disney
 
 

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