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横浜シネマリン 10日から
変わる町変わらぬ神楽 三陸の伝統追った映画上映 横浜

カルチャー | 神奈川新聞 | 2018年3月7日(水) 09:15

映画「廻り神楽」から。笛、太鼓、かねの音が印象的でユーモラスな面も
映画「廻り神楽」から。笛、太鼓、かねの音が印象的でユーモラスな面も

 岩手県の三陸沿岸を巡行する神楽を記録したドキュメンタリー映画「廻(まわ)り神楽」が10日から、横浜市中区の横浜シネマリンで上映される。東日本大震災の大津波と復興事業で変貌しつつある地域にあって、変わることのない神事は「当たり前」の尊さを際立たせる。

 「また神様が来てくれたと人々が慕う様子は、まるで親戚付き合いのようだった」と、共同監督でプロデューサーも務めた遠藤協さん(37)は振り返る。

 宮古市の黒森神社を本拠に340年以上前から続く「黒森神楽」。正月から3月頃にかけ、十数人の神楽衆が隔年で北上、または南下するのが習わしで、範囲は150キロに及ぶ。類のない「廻り神楽」として国の重要無形民俗文化財に指定されている。

 住民と神楽の関係は濃密だ。地域の篤志家が自宅などを開放した「神楽宿」を主な舞台に、大漁祈願から弔いまで、人生の哀歓が重ねられる。古来の津波常襲地帯ゆえ、信仰心は生活に深く根ざしている。「震災を経て割り切れない思いを抱えた人々にとって、信仰はより強くなったのではないか」(遠藤さん)


「廻り神楽は海に生きる人々の信仰を支えている」と話す遠藤協さん =横浜市中区の横浜シネマリン
「廻り神楽は海に生きる人々の信仰を支えている」と話す遠藤協さん =横浜市中区の横浜シネマリン

 作中では、高台移転した真新しい集落、津波に耐えたのに防潮堤建設のため取り壊される建物、切り崩される山など、被災地の現在も描かれている。それだけに、神楽衆の一人が伝統を巡って語った「いつも通りに意味がある」との一言が、一層切実に響く。

 23日まで。遠藤協、大澤未来監督、ヴィジュアルフォークロア製作。問い合わせは横浜シネマリン電話045(341)3180。

 
 

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