
横須賀で生まれ、フランスで活躍した洋画家、青山義雄さん(1894~1996年)の回顧展「青山義雄展-きらめく航跡をたどる」が横須賀美術館(横須賀市鴨居)で開かれている。4月15日まで。
父が旧海軍の書記官だった青山さんは8歳まで横須賀で育ち、27歳で渡仏。肺病の療養のために訪れた南仏でマティスに出会い、「この男は色彩を持っている」と高く評価された。叙情的な作風で注目され、南仏・カーニュを拠点に風景画を描き続けた。
回顧展では、代表作のほか、心象風景を描いた謎めいた初期の作品やスケッチなど約120点を展示。102歳の長寿を全うした青山さんの70年以上にわたる画歴を振り返る。
故郷の海である東京湾の浦賀水道をモチーフにした3点も紹介。最晩年に帰国後、92年に横須賀市内で開かれた展覧会で発表された作品で、大小の船舶が行き交う姿が一点一点色彩の異なる海とともに描かれる。
美術館の入り口には、バラ園を題材にした作品のコピーを背景にしたフォトスポットを設置。巨大な額縁と絵画の間に立ち、自分が絵の中に入り込んだような1枚が撮影できる。
観覧料は一般900円。問い合わせは、同美術館電話046(845)1211。