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県内2カ所で「シニア劇団」誕生 今、高齢者の活動が熱い

カルチャー | 神奈川新聞 | 2020年2月5日(水) 10:01

横須賀シニア劇団「よっしゃ‼」の中間発表公演「こんな外郎売り観たことない!」=2019年11月2日、県民共済みらいホール(KAAT提供)
横須賀シニア劇団「よっしゃ‼」の中間発表公演「こんな外郎売り観たことない!」=2019年11月2日、県民共済みらいホール(KAAT提供)

 世代や障害の有無を問わず舞台芸術の魅力を共有しようと2018年度に始まった県の「共生共創事業」で今、高齢者が意欲的に活動している。「かながわシニア創作創造プロジェクト」として県内2カ所で「シニア劇団」が誕生したほか、ダンサー安藤洋子が指導する60歳以上を対象にしたワークショップも盛況だ。年齢をいくつ重ねても、自己表現に生きがいを見つけられる場がつくられている。

 昨年8~9月、横須賀に「よっしゃ‼」、綾瀬に「もろみ糀座(こうじざ)」とそれぞれ名付けられたシニア劇団が発足した。団員の年齢幅はともに60~80代で、「よっしゃ‼」は34人、「もろみ糀座」は20人で活動する。


綾瀬シニア劇団「もろみ糀座」の中間発表公演「ヤァーーーッ!」=2019年12月19日、県民共済みらいホール(KAAT提供)
綾瀬シニア劇団「もろみ糀座」の中間発表公演「ヤァーーーッ!」=2019年12月19日、県民共済みらいホール(KAAT提供)

 「よっしゃ‼」は創立約70年の劇団「河童座(かっぱざ)」(横須賀市)を主宰する横田和弘が、「もろみ糀座」は横浜を拠点に03年に結成した劇団「スタジオソルト」代表の浅生礼史が指導。演劇初心者を含む団員は毎週1、2回の稽古を重ねて芝居に打ち込んでいる。

 両劇団ともに、立ち上げから約3カ月後に中間発表として県民共済みらいホール(横浜市中区)で舞台を上演。生き生きとしたステージで150人超の観客を沸かせ、劇団として本格的なスタートを切った。

 国内外で活躍する横浜出身のダンサー安藤洋子がリーダーを務めるダンスプロジェクトでは、昨年5月以降、10回近くのワークショップを横浜や鎌倉で開いている。「歩く」といった日常の所作から身体と向き合うプログラムが好評で、継続的な参加を希望するリピーターが大勢いるという。


安藤洋子(左から3人目)が指導するダンスワークショップ(KAAT提供)
安藤洋子(左から3人目)が指導するダンスワークショップ(KAAT提供)

 一連の取り組みは、仕事や子育てが一段落した後も高齢者が人生のやりがいを見つけられる好機となっている。シニア劇団のメンバーには「目標ができた」「生活に張りができた」などと参加の意義を実感している人が少なくない。

 同事業の企画制作を手掛けるKAAT神奈川芸術劇場(横浜市中区)の担当者も、「多種多様なスキルと経験を持つシニアの人にはさまざまな可能性がある」と話す。「高齢者が元気に生きていく一つの要素に舞台芸術がある。演者や裏方スタッフとして、または観客の一人としてなど、いろいろな形で舞台を支えることができる」

 既に実績を重ねているシニアの団体も。平均年齢72歳の「横浜並木男声合唱団」は1月、事業の一環でコンサートを催した。活動歴25年、息の長い合唱団。このステージでもアニメソングや昭和の流行歌を振り付きで披露し、観客にも歌って踊ってもらう演出で会場を盛り上げた。

 このほか、高齢者の舞台公演は今月から3月下旬にかけて同ホールを中心に相次いで開かれる。「パワーあふれるシニアの存在を大勢の人に知ってほしい」とKAATの担当者。「かながわシニア創作創造プロジェクト」は長期的に活動する方針で、「より多くの人に参加してほしい」としている。

 公演内容の問い合わせはKAAT共生共創課☎045(306)6811。

 
 

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