ユーラシア各地のランプを紹介する「魅惑のランプ展」が、横浜市中区の横浜ユーラシア文化館で開催中だ。油と芯で火をともすシンプルな仕組みだが、時代や地域によって多様なランプを見ることができる。
同市鶴見区在住のビジネスマン、中山智夫さんが収集した世界有数のランプコレクションから約230点を紹介。古代西アジア、古代地中海世界、イスラム世界、近代欧州、南アジア、東南アジア、東アジアに区分けし、それぞれの時代や地域の特色を伝えている。 紀元前15世紀ごろのパレスチナのランプは、ろくろで形を整えた浅い皿状の土器。縁の一部を注ぎ口のようにひねり、芯を置いて使った。黒いすすが付着しており、実際に使用した跡が残る。
古代ローマのランプも土製で、型を使って量産された。表面には神話の世界や動植物など多様な模様が付けられた。エジプトでは、多産のシンボルとしてカエルがデザインされたユニークなランプが見られる。
照明具として人々の生活の中で使われてきた日用品だが、神や死者に供えられた一面もあった。シリア中央部のパルミラ遺跡の地下墓を再現した一角では、暗くした中でランプの明かりを体感できる。
同館の竹田多麻子学芸員は「さまざまな装飾や形があるランプは面白く、眺めているだけで楽しめます」と来場を呼び掛けた。
4月1日まで。祝日を除く月曜と2月13日休館。一般300円、小・中学生150円。横浜市歴史博物館が所蔵する日本の灯火具約50点も併せて展示。問い合わせは横浜ユーラシア文化館電話045(663)2424。