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【シネマ散歩】
【風の電話】故郷失った少女の再生

カルチャー | 神奈川新聞 | 2020年1月24日(金) 10:26


 24日からイオンシネマ港北ニュータウンなどで上映。

 岩手県大槌町に実在する私設電話ボックス「風の電話」をモチーフにした、喪失と再生の物語。電話線はつながっていないが「天国につながる電話」として知られるこの電話は、大切な人ともう一度話したいと願う人々が訪れる場所になっているという。

 広島県で伯母と二人で暮らしている高校生・ハル(モトーラ世理奈)=写真右=は8年前の東日本大震災で家族を失っていた。伯母が倒れ、深い絶望に沈むハルは、かつて家族と暮らした大槌町を目指してヒッチハイクの旅に出る。原爆の惨劇が忘れられない広島の老女、福島第1原発に近く、過疎化する村で暮らす親子、故郷を失ったクルド人難民など、ふるさとが損なわれ、痛みを抱えている人々に出会うハル。彼らと食卓を囲んで言葉を交わし、少しずつ癒やされていくハルは「風の電話」にたどり着く。

 厭世(えんせい)的だった主人公が生きる力を取り戻す姿を、モトーラ世理奈が熱演。「どうして全部奪うの」と号泣する冒頭から心をつかまれる。西島秀俊=同左=や西田敏行らベテラン陣の好演と、即興性を大事にする監督の演出がかみ合い、臨場感あふれる作品となった。

 印象的だったのは、豪雨でえぐり取られた山肌や、原発事故の影響で住む人がいなくなった廃屋などの風景。東京五輪などの華やかな話題に隠れてしまいがちだが、深く傷ついている日本の姿を物語っている。

監督/諏訪敦彦
製作/日本、2時間19分

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