シルクロードをテーマにした作品で知られ、鎌倉市内に長くアトリエを構えた日本画家、故平山郁夫さんの展覧会「平山郁夫シルクロードコレクション展」が27日、横浜駅東口のそごう美術館で始まった。12月3日まで。神奈川新聞社などの主催。
古代ローマと中国を結んだ交易路シルクロードをたどる旅から生まれた絵画約40点と、平山さんが夫婦で収集してきた仏像や金銀の装身具などの工芸品約170点が並ぶ。
工芸品はいずれもシルクロードで結ばれたさまざまな地域のもの。バーミヤンの石仏など、今では破壊されてしまった遺跡が描かれた作品とあいまって、文化や歴史の盛衰を伝える。
夫妻は1968年から約40年にわたって、シルクロードや仏教伝来に関わる地への取材旅行を続けた。会場を訪れた妻の美知子さん(91)は「日本が世界に遅れてはいけないとの思いで集めてきた。集めておいてよかったな、と思いますね」と話した。
来場者の多くがいすに座ってじっくり眺めていたのが、遺跡を描いた3枚の大作が並ぶ一角。ラクダに乗った一行がパルミラ遺跡を通る情景を、朝と夜とで描き分けた2枚が、ローマの遺跡を描いた作品の両脇に展示されており、鮮やかな色彩と迫力を堪能できる。
入場料は一般1000円、高校・大学生800円。問い合わせは同館電話045(465)5515。