江戸時代を代表する木造彫刻で、川崎市重要歴史記念物の「木造四天立像」が11月15~17日、中原区の泉澤寺で特別公開される。市の補助を受けて行われた広目天(こうもくてん)立像の補修が終了し、市民に広く四天立像を見てもらおうと、市教育委員会の特別公開事業に同寺が協力した。見学無料。
市教委によると、木造四天立像は、約1年間をかけて補修を終えた広目天のほか、多聞天(たもんてん)、梵天(ぼんてん)、帝釈天(たいしゃくてん)の4体からなる護法神像。各像の台座裏にある銘文から、京都七条仏所の仏師・康伝によって1710年に造られ、江戸城内にあった5代将軍綱吉の霊廟(れいびょう)に祭られたことが分かっている。明治維新後、江戸城外に出された後、泉澤寺に移された。
泉澤寺は、世田谷領主の吉良頼高の菩提(ぼだい)所として1491年に現在の東京都世田谷区烏山に創建された浄土宗の寺院。焼失によって1550年に現在の地に移転し、再興した。
問い合わせは、市教委文化財課電話044(200)3305。