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巨匠たちの傑作集結 コートールド美術館展開催中

カルチャー | 神奈川新聞 | 2019年10月21日(月) 19:59

エドゥアール・マネ「フォリー=ベルジェールのバー」(1882年、コートールド美術館、(C) Courtauld Gallery 〈The Samuel Courtauld Trust〉)
エドゥアール・マネ「フォリー=ベルジェールのバー」(1882年、コートールド美術館、(C) Courtauld Gallery 〈The Samuel Courtauld Trust〉)

 英国ロンドンのコートールド美術館は、印象派・ポスト印象派絵画の名品を所蔵することで知られる。同館を代表する約60点の絵画と彫刻を紹介する「コートールド美術館展 魅惑の印象派」が、東京・上野の東京都美術館で開催中だ。マネやルノワール、ドガ、セザンヌ、ゴーギャンといった巨匠たちの傑作が集まった。

 コートールド美術館の創設者サミュエル・コートールド(1876~1947年)はレーヨンの製造で巨額の富を築いた実業家。卓越した審美眼と社会貢献に対する高い見識の持ち主で、自身の収集品が英国の公的コレクションとなるように尽力した。

 マネの「フォリー=ベルジェールのバー」はパリにあったミュージックホールを描いたもの。バーカウンターの向こうからこちらを見つめるバーメイドを中心に、彼女の背面に広がる鏡に映った群衆が描かれる。バーメイドの表情は、読み取ることができない難しい表情で、さまざまな解釈がある。

 作家でドイツ文学者の中野京子は「事実上のマネの絶筆だが力強い。鏡を見ると、ありとあらゆる人々が来ているのが分かる。店内には三つのスタンドバーがあった。どれだけの騒音と匂いだったことか」と話した。

 奇妙なのは背後の鏡に映るバーメイドの位置が右にずれている点だ。カウンター越しにバーメイドと向かい合う男性客の姿は、鏡には映っているが、カウンターの手前にはない。

 この不自然な構図はマネの意図によるもので、バーメイドの頭部を頂点にした三角形の構図をより安定させ、彼女の存在を際立たせる効果を上げている。

 12月15日まで。祝休日を除く月曜と10月15日、11月5日休館。一般1600円ほか。問い合わせはハローダイヤル03(5777)8600。

 
 

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