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【かながわの本】エッセーもあの名調子「高嶋ひでたけの 読むラジオ」高嶋秀武 著

カルチャー | 神奈川新聞 | 2017年9月20日(水) 10:28

かながわの本
かながわの本

「高嶋ひでたけの 読むラジオ」
「高嶋ひでたけの 読むラジオ」

 警察担当だった駆け出し時代、各署を回る車の中でラジオをいつも聞いていた。地元の「FMヨコハマ」を聞く機会が多かったが、朝はニッポン放送の名物番組だった「お早う!中年探偵団」で、この人の声によく親しんだ。

 横須賀出身の高嶋秀武さんである。東京オリンピック翌年にニッポン放送に入社。スポーツの実況アナウンサーとしてスタートし、「オールナイトニッポン」「大入りダイヤル まだ宵の口」といった人気番組でパーソナリティーを務めた。

 フリーとして今もマイクに向かう。52年のラジオ人生を自然体で語ったエッセーだ。

 くせ字の記者原稿を読めずに、臨時ニュースが伝えられず「続いて天気予報です」と急場をしのいだ経験、「もう1点ほしいですね」という決まり文句を解説者の関根潤三さんにたしなめられた苦い思い出、若き日の吉田拓郎に「歌は立ってうたうべきじゃないの」と言ってしまった赤面の記憶。はたまた、生放送でいきなり電話する企画では、抗争中の暴力団事務所に「きょうの抗争は?」と直撃、「なんや!どこのもんじゃ」の怒鳴り声を浴びて…。

 自らの失敗談やラジオ番組の熱い舞台裏を笑いとユーモアでつづる。温かい筆致はあの柔らかく滑らかな名調子と重なる。

 75歳の今もニッポン放送で平日朝6時からの番組を担当。毎日3時起きだそう。意気軒高だ。

(小学館電話03・5281・3555、1080円)

 
 

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