
素直な歌詞と、心地よい潮風のようなサウンドが魅力の平井大。東京生まれながら、湘南の海をこよなく愛するミュージシャンだ。ことし春に公開された映画「ドラえもん のび太の月面探査記」の主題歌「THE GIFT」を手掛けたことで、幅広い世代に支持が広がっている。7月末には「後世に伝え残したい」をテーマにした同名のアルバムを発表。11月には横浜でコンサートも開く。「長く愛される、ビンテージと呼ばれるような楽曲を残したい」という平井に、音楽への思いを聞いた。
音楽とサーフィンが好きだったという父親の影響から、3歳でウクレレを演奏し始めたという平井。父親が弾くギターに合わせてウクレレでメロディーを付けるなど、音楽を楽しむ中で自然と作曲をするようになった。「作曲をするのは今でもとても楽しい」と笑顔を見せる平井だが、もともと自分がフロントに立って歌声を披露することはイメージしていなかったという。
2011年に「ONE LOVE」という曲がハワイのイベントの公式イメージソングになったことをきっかけにシンガー・ソングライターとして活動を開始。「いまだに歌より楽器の方が自由に奏でられる感覚がある。エリック・クラプトンなど、活動のベースに楽器の演奏があるミュージシャンが理想像」と語る。
「ビンテージと呼ばれる音楽と新しい音楽を自然にミックスさせ、新たな世代にもアプローチしたかった」という新作のアルバムでも、ウクレレの演奏には細部までこだわった。「Tokyo Love in the Air」はシティーポップの雰囲気の中で、アコースティックなウクレレの魅力が際立つ一曲。「おなじみの楽器、ウクレレの違った一面を感じてもらえると思う」と納得の表情。また「Beautiful Journey」は、バンジョーやマンドリンを使った、カントリーミュージックを想起させるような曲調に、ウクレレの音色が自然にミックスされている。「いかにもカントリーっぽいサウンドにはならず、うまくバランスをとることができた」

5月にサザンビーチちがさきでワンマンライブを行った平井。「ビーチでワンマンライブをするのは初めてだったけれど、小さい頃から親しみのある茅ケ崎でライブができるのはうれしかった。海を目の前にして演奏できるのは気持ちが良かったし、お客さんも自由に音楽を楽しんでくれて充実した時間になりました」と振り返る。
8月24日からスタートするコンサートツアーは、11月17日の横浜アリーナが最終日となるが「自分の音楽の歴史の中で、思い出に残る一日になると思う」と意気込む。「大きい会場ならではの工夫も必要になるはず。でも、これまで培ってきたスタイルにはこだわって、自分の音楽を届けられたら」
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「CONCERT TOUR 2019 THE GIFT 神奈川公演」は11月17日、横浜アリーナ(横浜市港北区)午後5時開演、指定席6800円各プレイガイドで販売中。問い合わせはホットスタッフ・プロモーション☎03(5720)9999。
8月30日から9月1日まで山梨県山中湖交流プラザきららで行われる「SPACE SHOWER TV 30TH ANNIVERSARY SWEET LOVE SHOWER 2019」にも出演予定。