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パンクからジャズ転向
第4回「ちぐさ賞」決定 ボーカル和田さんに

カルチャー | 神奈川新聞 | 2016年9月24日(土) 02:00

4回目となったちぐさ賞を受賞した和田さん(左)
4回目となったちぐさ賞を受賞した和田さん(左)

 現存する日本最古のジャズ喫茶「ちぐさ」(横浜市中区)が、新人発掘のために制定した「第4回ちぐさ賞」の最終選考が18日に行われ、男性ボーカリストの和田明さん(28)の受賞が決まった。

 和田さんは鹿児島県出身。学生時代まではパンクバンドのボーカルをやっていたという異色の経歴を持つ。24歳から本格的にジャズを始め、まだ4年目。コンペへの参加自体が初めてといい、本人は「母がジャズを好きで小さいころから聞いていたが、自分は音大も出ていないし、こんな賞をもらえるとは」と喜ぶ。

 選考は書類、演奏映像、ライブ審査で行われ、和田さんは甘く繊細かつ力強い独特の歌声が支持され、来場者の投票によるベストパフォーマンス賞も受賞した。審査委員長のジャズ評論家・瀬川昌久さんは「いまジャズのライブで一番客が集まらないのが男性ボーカル。一石を投じてほしい」と期待を込めた。

 副賞として、来春にはアルバムが発売される。和田さんは「昔、ジャズの本で読んでいたちぐさが主催する賞をもらえてとても光栄。いつかは男性ジャズボーカルといえばこいつ、と言ってもらえるようになりたい」と話していた。

 ちぐさはマスターの故・吉田衛さんが1933年に野毛に開店。没後、「日本のジャズを育てたい」という遺志を有志が引き継ぎ、「ちぐさレコーズ」を設立。新人発掘のためのちぐさ賞を制定している。

 
 

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