カナガワビエンナーレ国際児童画展の歩みを振り返る特別展「プレイバック ザ・カナガワビエンナーレ!」が25日、横浜市中区の県民ホールギャラリーで始まった。1981年から2017年までの大賞と特別賞を受賞した約900点と資料などが並ぶ。8月3日まで。入場無料。
同児童画展は子どもの夢や創造力を育て、絵を通してさまざまな国や地域の生活や文化への理解を深めようと、1981年から2年に1度県が主催している。
第1回の大賞作品は平塚市とポーランド、韓国の子どもの作品で、いずれも個性豊か。同展事務局の藤原敏雄さん(67)は「長年見てきたが、海外の作品は描き込みが多く、色使いが豊富。社会性の高い作品が多い」と話す。
会場の一角では、38年に森永製菓が企画し、日本、ドイツ、イタリアの間で親善を図った児童画のコンクール「日独伊親善図画」を紹介。ドイツに送られた日本の子どもたちの作品約100点が並ぶ。
これらは、同図画を研究している田中直子さん(25)が、ドイツ留学中に発見し、所有者から借りてきたものだという。
田中さんは「児童画に美術的価値はないと思われがちだが、子どもの美術教育に携わった先人たちは大切だと訴えていた。その意味を調べていきたい」と抱負を話した。
問い合わせは同ギャラリー電話045(662)5901。