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横浜にぎわい座
「時代に合った変化を」 3代目館長布目英一さん 

カルチャー | 神奈川新聞 | 2019年7月24日(水) 12:25

「出演者がやりたいことをやってもらうのがにぎわい座の特徴」と話す布目英一館長
「出演者がやりたいことをやってもらうのがにぎわい座の特徴」と話す布目英一館長

 大衆芸能の専門館、横浜にぎわい座(横浜市中区)の3代目館長に布目英一(58)が就任した。同館設立当初から企画制作に携わってきたほか、演芸研究家としての顔も持ち、浪曲をはじめとする芸能の振興にも尽力。初代の玉置宏、2代目の桂歌丸の両館長の志を引き継ぎ「出演者の気持ちを大切に、そして観客が満足できる番組作りを続けていきたい」と意欲を語る。 

 2000年代から続く落語ブームの追い風もあり、にぎわい座にも多くのリピーターが来場しているというが「まだ寄席に来たことがない若い人も多いのでは。ファン拡大の余地はある」と、今年の下半期もさまざまな企画を準備している。

 8月4日には親子で楽しめる「子ども落語」を開催するほか、同20日には太神楽曲芸体験講座、9月29日には江戸家小猫を講師に動物の鳴きまね講座を行う。鳴きまね講座は野毛山動物園と連携し、実際に動物の鳴き声を聞いてみる体験もセットになったユニークな企画だ。「子どもと一緒に、若い世代の保護者がにぎわい座に足を運ぶきっかけになれば」

 また、来年1月の本格運用を目指して準備を進めているのが、これまでの公演のデータベースだ。にぎわい座の過去17年分の公演記録をデータ化し、演目、演者、キーワードで検索できる。「落語の研究者に役立つのみならず、演目や演者に興味を持った観客が、さらに深く落語を知ることができる窓口にしたい」と展望を語る。

 毎月1回、観客のリクエストが多かった作品を実力派の噺(はなし)家が披露する人気企画「名作落語の夕べ」も引き続き開催していく。「人気の落語家による独演会だけで集客するのではなく、きちんと作品の魅力を伝えていくべきだ」という、歌丸館長のこだわりを引き継いだものだ。

 落語以外の演芸にも光を当て続ける。横浜生まれの講談師、宝井琴柑が5代目宝井琴鶴を襲名するに当たり、11月30日に真打ち昇進披露公演を行う。「まだ若い講談師だが、物語をしっかり伝える素直な芸風が魅力。ぜひ注目してもらいたい」。また近年注目が集まる活動弁士の公演も定期的に企画していく。「坂本頼光など、若い世代が活躍している。これからもっと面白くなるのでは」

 独自の企画がめじろ押しだが「にぎわい座も、もっと時代に合った形に変化していかなければ」と決意を語る。「野毛の街は、立ち飲みスタイルの店を増やして若者を呼び込むなど、常に変化して元気さを保っている。演芸も、今の時代に合った方法で伝えることで幅広い世代のファンを増やしていきたい」



 各種公演の問い合わせは横浜にぎわい座☎045(231)2525。

 
 

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