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つくってチャチャチャ(動くおもちゃ)稲田大祐
ゆっくり丁寧に マグネットパペットを作る(夏休み編)

カルチャー | 神奈川新聞 | 2019年7月23日(火) 15:48


 子ども向けの工作を開発していると「パパッとでき、見栄えのする簡単な工作」を求められることがよくあります。キットのものを組み立てる作業であれば、材料も専用に加工されているため容易にできますが、すぐ出来上がってしまうものはつくり上げた達成感が少ないかもしれません。

 淡々と時間をかけて得られたもの、自分なりの工夫を凝らしたものをつくることで、作品はより素敵(すてき)に、またいとおしく見え、出来上がったものを大切に扱う気持ちも生まれます。この子どもの工作では、つくる過程で試行錯誤や修正をしながら、身近な材料を自分の作品へと変えることの素晴らしさに気付いてほしいと願っています。

 子どもにとって夏休みは何かにじっくり取り組む絶好のチャンスです。今回はパパッとはできないけれど、出来上がったら動かして遊べる磁石を使った科学工作を紹介します。

 磁石の面白さは、直接触れず、物との間を空けても力が働くことです。しかし磁石単体では単純に異極、同極の組み合わせによって引き合うか退け合うかだけです。磁石のもつ性質をコントロールして、その性質を面白く具現化するため、今回の工作では磁石を円盤上に貼り、その力が及ぶ人形側を糸で固定することで不思議な動きを得られます。

 材料を用意する準備と制作に少し時間がかかりますが、ゆっくり丁寧に夏休みの工作として取り組んでみましょう。

材料と用具

・工作用紙(白ボール紙、厚紙など)A3サイズ程度1枚。見本写真ではカラー工作用紙を使用
・手芸用ひも(巾着袋など用)幅5ミリ、長さ10センチ程度2本
・ビニールタイ(ビニールでコーティングされた結束用の針金)
・木綿糸(ミシン用糸など)長さ6センチ程度
・クリップ4つ
・異方性フェライト磁石4個(ここでは直径19ミリ、厚さ4ミリのものを使用。ネオジウム磁石は磁力が強すぎるので不可)
・セロハンテープ、両面テープ、木工用接着剤
・装飾用の色紙や折り紙、ペン
・はさみ、カッターナイフ、カッターマット
・コンパス、定規

型紙のダウンロードはこちらから


型紙1


型紙2

つくり方


写真(1)
写真(1)

1.本体づくり。「型紙1」使用。A3サイズ程度の工作用紙を半分に切る。型紙1の赤線部分、横17センチ×縦25センチと、4カ所の切り込みのところを切る。また、赤の丸で示した2カ所に穴を開ける。直径3ミリの穴はコンパスの針で開けた後、鉛筆や割り箸の先で広げる。


写真(2)
写真(2)

2.谷折り・山折り線の記号の通り紙を折る。書けなくなったボールペンなどで折る線上をなぞっておくときれいに折れる。


写真(3)
写真(3)

3.本体の組み立て。紙が重なる図の矢印部分に木工用接着剤をつけてクリップや洗濯ばさみで挟み、しっかり乾くまで待つ=写真(1)。急いでいる時は4カ所ホチキスで留める。


写真(4)
写真(4)

4.「型紙2」使用。直径10センチの円盤大AB2枚を切り、接着剤で貼り合わせる。乾いたら中心に直径3ミリの穴を開ける。直径3センチの円盤小ABも同様にする。次に円盤大の取っ手になる部分に切り込みを入れて折り上げる。円盤大の取っ手側に磁石4個を両面テープや接着剤で留める=写真(2)。
接着剤は薄目に塗ってから圧着すると早く乾く。


写真(5)
写真(5)

5.「型紙2」のビニールタイ留めを切って、ビニールタイ留めにビニールタイを巻き付ける=写真(3)。ビニールタイの先を本体と円盤大小の穴に通し、左右に広げてセロハンテープで留める=写真(4)(5)。


写真(6)
写真(6)

6.人形づくり。工作用紙や厚紙を自分の好きな人形の形(高さ約7センチ、幅2・5~3センチ)に切る。手と脚になる手芸用ひも(約10センチ)2本を、接着剤で胴体裏に付ける。次にクリップをひも2本の両端に接着剤で貼り、完全に乾かす=写真(6)。色紙で手先、足先に紙を付けたり、折り紙などで顔と胴体の装飾をしたり、細かいところはペンも使って仕上げる=写真(7)。


写真(7)
写真(7)

写真(8)
写真(8)

7.背景の色に合わせて木綿糸の色を決めて6センチに切り、本体上部の穴に通し、人形頭部上側にテープで留める=写真(8)。人形が本体の中心になるように本体上部の穴のところでひもの長さを調節し、テープで留めて出来上がり。

遊び方(動かし方)



 円盤を左右に回転させて、いろんな風に動かしてみましょう。音楽に合わせて動かしたり、人形を何種類かつくって取り替えたりしてみましょう。

遊び方の動画はこちら


おうちの人と一緒につくろう。カッターナイフを使う場合は、年齢に応じてお手伝いください。また、磁石は磁気カードなど磁気の影響を受けやすい物に近付けないなど、取扱いに注意してください。



 いなだ・だいすけ 相模女子大学芸学部子ども教育学科教授。私立小学校図画工作専科教諭14年、同付属幼稚園の絵画講師を13年務めた後、オーストラリア・メルボルンに留学し、RMIT大大学院を修了。NPO法人ガリレオ工房に所属し、稻田醍伊祐の名で造形作家としても活動している。

 
 

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