絵本作家、落語家として活動する保科琢音(たくお)(35)=横浜市南区=が、7月6日から横須賀美術館(横須賀市鴨居)で開催される「せなけいこ展」で、せなの絵本をモチーフにした独自の寄席を披露する。「落語の良さ、絵本の良さ、せな先生のすごさを伝えたい」と意気込みを語った。
「ねないこだれだ」や「めがねうさぎ」などで知られる逗子市在住の絵本作家せなけいこ(87)。貼り絵の手法で、お化けやウサギをモチーフにしたシンプルな絵柄が人気だ。落語家の故6代目柳亭燕路(りゅうてい・えんじ)が夫で、落語を引用した絵本も手掛けている。
「以前、『どんな絵を描いても、自分の絵だと思われるようにならなければだめだ』というせな先生のインタビューを読み、感銘を受けた。せな先生の絵は、どの作品を見てもすぐに先生の絵だと分かる。それってすごいこと」と保科。
せなの絵本や、せなが師事した童画家の故武井武雄が子どもの頃から好きだったという。燕路による子ども寄席の本も愛読し、親近感を抱く。
今回の寄席は、そんな敬愛するせなをテーマにした「読絵(どくえ)ん会」だ。絵本と紙芝居による「読み笑わせ」と、せなの絵本「ばけものづかい」「ひとつめのくに」に引用された古典落語を演じる。子どもや落語初心者も楽しめる内容だ。
「どんなに難しいテーマも笑いがないと記憶に残らない。どこまで人を笑わせられるか、挑戦したい」
読絵ん会は、7月13日午後3~4時と8月10日午後3時半~4時半。落語の演目は7月が「一眼国」、8月が「化け物使い」。同館エントランスホール。無料。予約不要。問い合わせは同館☎046(845)1211。