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日本将棋連盟指導棋士五段、本紙将棋担当記者
将棋のはなし(113)豊島さんの言葉なんです

カルチャー | 神奈川新聞 | 2019年6月27日(木) 11:52


【2019年6月23日紙面掲載】

 「強くなるにはどんな勉強をすればいいでしょうか?」。これまで幾度となく聞かれた質問だ。

 一般的なのは実戦、詰め将棋、棋譜並べだろう。最近はこれに人工知能(AI)の活用が加わる。ただAIは使い方を間違うと逆効果にもなりかねない。頼り過ぎず、あくまでも自分の頭で考えることが大切である。

 初心者の子どもであれば、とにかくたくさん指すことが一番だと思う。棋力や年齢が上がるほど難しい問題で、その人の棋風や性格を考えてアドバイスしてきた。

 最近は「3局指して1回ぐらい勝てる人とたくさん指すこと」を勧めている。負けてばかりではつまらないし、心も折れる。一方で楽に勝てる相手だと、得るものは少ないということだ。

 単純で地味な答えなので、不満そうな反応をされることも多い。こちらもそれは想定内。その時は「実はこれ、豊島さんの言葉なんです」と必殺のひと言を付け加える。

 豊島将之名人(29)は昨年、念願の初タイトル棋聖を獲得すると、続けざまに王位も奪取、そして先月には名人位も獲得した三冠王である。

 1年半ほど前、まだ無冠だった豊島名人が女性ファンに上達法を聞かれ、答えていたのだ。たまたま隣にいた私は聞き耳を立てて、その後は拝借させてもらっている。

 棋界のトップを走る三冠王の名前は効果てきめんで、誰もが納得してくれた。私としては、うれしいような悲しいような複雑な心境である。

 
 

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