逗子出身のジェントル久保田(41)が率いるビッグバンド「ジェントル・フォレスト・ジャズ・バンド」が30日、横須賀芸術劇場で公演する。指揮棒を持ちながら軽快なパフォーマンスでライブを盛り上げる「現代のボードビリアン」ジェントル久保田に、ビッグバンドの魅力について聞いた。
「ジェントル・フォレスト・ジャズ・バンド」はサックスやトロンボーンなどの楽器隊と3人組のボーカル「ジェントル・フォレスト・シスターズ」を含めた21人編成。ジャズフェスティバルへの出演や、お笑い芸人「東京03」とのコラボレーション、8月に公開される映画「ダンスウィズミー」の楽曲プロデュースなどさまざまな場面で活躍し、近年注目を集めている。
2005年の結成以来、ダンサーも登場する楽しいステージと、魅力的なオリジナル楽曲で人気を博してきた。ジェントル久保田は「ビッグバンドは、迫力とエンターテインメント性が一番の魅力。人数が多い大変さはあるが、付き合いの長いメンバーたちと一緒に自分たちの音楽を追究してきた。今は演奏中にどんなトラブルがあっても誰かがフォローしてくれるという信頼感がある」と振り返る。
今回のステージは、疾走感のある演奏で人気を集めるルーマニアのロマによるブラスバンド「ファンファーレ・チォカーリア」、女性のみのビッグバンド「たをやめオルケスタ」との共演。「たをやめオルケスタは、明るくてパーティーっぽい演奏が魅力。ファンファーレ・チォカーリアは、同じ楽器でも音の鳴り方がダイナミック。僕らも自分たちのスイングジャズを思いきり演奏したい」と意気込みを語る。
自分たちの音楽は「明るいように見えて暗さのある曲が多い」と話す。「差別を受けていた黒人たちが生み出した、ジャズの歴史を大切にしたい。目標としているのはデューク・エリントンのバンド。CDを聞くと真面目にジャズをやっていることが分かってもらえるはず」
一方で、ビッグバンドの面白さを伝えることにも注力してきた。和光大学のビッグバンドでトロンボーンを演奏していたが「面白さがステージ側で止まっている」と感じていたことから、バンド結成後は今のスタイルでジャズの楽しさを客席に伝えている。「こちらが楽しそうに演奏していれば、お客さんも笑いながら肩の力を抜いて聴いてもらえる。ライブでは特に、ビッグバンドの魅力を実感してもらえると思う」
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「ファンファーレ・チォカリーア&2ビッグバンド大ブラス・フェスティバル!」は午後4時開演。S席6千円など。横須賀芸術劇場電話予約センター☎046(823)9999。