
来年創立70周年を迎えるアマチュア劇団かに座(横浜市西区)の最新公演「家族な人々」(作・ふたくちつよし)が22、23の両日、同市神奈川区民文化センターかなっくホールで開かれる。「さまざまな家族の形が描かれる」と見どころを語る団員たちは、程よい緊張感に包まれながら日々の稽古に励んでいる。
長男の七回忌の法要のため準備に追われているスズ子は、久しぶりに次男家族と再会できることに上機嫌の様子。隣人夫婦を交えて和気あいあいと過ごしているところ、突然の来訪者がやって来て…というあらすじのホームドラマ。
「声が聞こえないよ」「もっと滑舌を良くしてな」。平日、夜間の稽古場をのぞくと、演出を務めるかに座代表・馬場秀彦(62)が役者の声の大きさから体の向きまで細かく指導していた。
アマチュアでも妥協はしない。「お客さんにきちんと『声』を届けること。言葉を大切にすることがかに座の基本」と話す。
「かに座は昔から『生きる』ことを意識して作品を取り上げてきた」と馬場。登場人物が織りなす人間模様を通じて「家族って一体何だろう、ということを問いたい」。
「家族は決まったものではなく、どんな色、形があってもいい」とも加え、「1、2時間の公演中、1人にでも2人にでも響くものがあれば最高」と期待を込めた。
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前売り1500円、当日2千円。高校生以下は前売り千円、当日1300円。
本公演に5組10人を招待。はがきに〒住所、氏名、年齢を明記し、〒220-0073、横浜市西区岡野1の3の14、劇団かに座「K招待」係へ。17日必着。公演時間などの問い合わせはかに座☎090(2427)0665。