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【紫陽花守り】

カルチャー | 神奈川新聞 | 2019年6月6日(木) 12:42


門や玄関など家の入り口につるし願いを込めます

【2019年6月2日紙面掲載】

 足早に進んでいた季節に、ほんの少しブレーキがかかります。入梅を間近に控え、湿度も高くうっとうしい季節がやってくるのだと身構えている人も多いでしょう。

 ただ、年齢を重ねるうちに苦手意識も薄れるような気がするのは、桜だ、新緑だとにぎやかに進んできた季節の話題が控えめになり、ほっとひと息つける季節だからかもしれません。

 何しろ梅雨が明ければ、あの強烈な日差しや暑さが待っています。大地や草木が雨にうるおい満たされていくのと同じように、心も潤いますようにと、雨音に耳を澄ませています。

 さて、そんな気分にしっくりと似合う花が、紫陽花(あじさい)です。その紫陽花の花枝をきり、半紙などに包んでつるすのが、紫陽花守りです。さまざまな呼び名があり、6月につるす、土用の丑(うし)の日につるす、とこれまたさまざまなのが日本らしいところです。

 なんのために飾るかというと金運や、子どもの病よけ、疫病よけなどの願いを込めます。半紙だと破れやすいのでわが家では障子紙に包んで願い事を忍ばせ、紅白の水引で結んでいます。

 何より紫陽花の花全体のほんわりとしたやわらかさや、色の濃淡、ぼかしを間近にするうちに、気分も和らぎ、優しい気持ちになります。願い事はもちろん、それも紫陽花守りのいいところなのです。

 
 

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