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原爆の悲惨さ今に 2年ぶりに「幻の記録映画」 話題のアニメも市民ミュージアム

カルチャー | 神奈川新聞 | 2017年7月22日(土) 11:27

市民ミュージアムで「平和記念都市ひろしま」と併映される「原爆の子」
市民ミュージアムで「平和記念都市ひろしま」と併映される「原爆の子」

 被爆都市ヒロシマの1948~49年の戦後復興を記録しながら「幻の記録映画」となった「平和記念都市ひろしま」(秋元憲監督)が8月、川崎市中原区等々力の市市民ミュージアムで2年ぶりに上映される。映画は国内では未公開のまま長年所在不明となっていたが同ミュージアムで発見され複製。「広島市公文書館と2館にしか所蔵されていない貴重な映像」という。 

 映像は、被爆からの復興資金を得ることや広島の悲劇を繰り返さない「ノー・モア・ヒロシマズ」運動を広めることを目的に、広島県や広島市が撮影した。しかし当時、原爆の悲惨さを伝えることは「反占領軍的」とされ、連合国軍総司令部(GHQ)の検閲対応や資金繰りなどから、劇場公開用長編映画としては完成せず、作品も所在不明になっていた。

 監督の秋元さんが1999年に亡くなり、その遺品のフィルムを家族が記録映画の保存を進めている同ミュージアムに寄贈。その中から2005年に「平和記念都市ひろしま」が見つかった。

 作品は20分で、人気の弁士・俳優だった徳川夢声さんの「1945年8月6日、世界最初の原子爆弾が破裂した」などとのナレーションでスタート。商店街のにぎわいやミス広島の選考会のほか、被爆直後の廃虚の写真や原爆孤児の収容施設、入院患者のケロイドの痕なども記録。「ノー・モア・ヒロシマズ あの恐怖の広島、残虐な戦争を二度と再び繰り返させないために」と締めくくる。

 今回の上映は、8月の特集「映画で見る平和への願い」(8月5~20日)の一環。日本で初めて原爆を取り上げた劇場映画「原爆の子」(新藤兼人監督、1952年)と6、19日に併映される。森宗厚子学芸員は「原爆投下から3、4年後に撮影されていてショッキングな映像は少ないが、当時の広島を記録する貴重なフィルム」と話している。

 話題のアニメーション「この世界の片隅に」(5、6、13日)や、小中学生向けに戦前製作された影絵アニメーション「煙突屋ペロー」(12日)なども上映。観覧券(自由席)は会場で当日販売。一般600円、大学・高校生・65歳以上500円、小中学生400円。問い合わせは、同ミュージアム電話044(754)4500。


 川崎市平和館は、同ミュージアムで行われる「この世界の片隅に」の上映会に市内在住の小中高生とその保護者を招待する。各回(8月5日午前11時半・午後2時半、6・13日午前11時半)抽選5組10人。7月25日午後5時までに電話などで申し込む。同館電話044(433)0171。

 
 

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