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相模原の東城信之介が受賞 VOCA展2019

カルチャー | 神奈川新聞 | 2019年3月28日(木) 11:00

 今後の活躍が期待される若手芸術家を選出する「VOCA(ヴォーカ)展2019」が、上野の森美術館(東京都台東区)で開催中だ。グランプリに当たる「VOCA賞」には、相模原市在住の東城信之介(40)が選ばれた。

 東城は、約10年前から同市中央区にアトリエを構える。受賞作「アテネ・長野・東京ノ壁ニアルデアロウ模写」は、ギリシャのアテネを旅した際、落書きや傷のある街中の壁と背景に見えるパルテノン神殿との対比から生まれた作品だ。

 「経済破綻した街の壁は破壊や落書きなどでぐちゃぐちゃ。遺跡とのコントラストがとてつもなかった。今起きている問題と歴史が視覚として存在していた」

 その風景に、同じオリンピック開催地で、故郷でもある長野が重なった。

 「幼い頃の記憶にある街と、オリンピックで整備され、がらりと変わってしまった街。違和感やさまざまな思いがあった。それはこれからの東京でも起こりうることだと感じた」と三つの街を想起し、一つの画面として表現した。

 「壁にはどの国、地域でも、その地の社会性や風習を反映するイメージがある」と、鋼板をベースに、顔料やアクリル絵の具などで、壁の傷や落書き、貼り紙などを再現するように描き、壁の写真を転写して入れた。影の付け方で奥行き感を出し、角度によって揺らいで見えるなど、目の錯覚を利用。写真に撮っても表面の様子がよく分からない作品だ。
 「その場に来ないと感じられない物を作っているつもり。片目で見れば違って見えるし、共有できないものがアートではないか」
 同展は30日まで。一般600円ほか。問い合わせは同館☎03(3833)4191。

 
 

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