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日本将棋連盟指導棋士五段、本紙将棋担当記者
将棋のはなし(98)猫に小判の特等席

カルチャー | 神奈川新聞 | 2019年3月14日(木) 11:16

日本将棋連盟指導棋士五段、本紙将棋担当記者

【2019年3月10日紙面掲載】

 10年以上前、将棋界の先輩に誘われ、一度だけ横浜スタジアムでプロ野球を観戦した。将棋ファンの審判員からチケットを2枚もらい、私に声を掛けてくれたのである。

 内野席(かなりいい席だったらしい)に着くと「あの二塁の塁審が誘ってくれたSさん」と先輩。するとその声が聞こえたかのようにSさんはこちらを向き、軽く会釈した。この時はタイミングよく気付いたのかなとしか思わなかった。

 野球の「や」の字くらいしか知らない私は、Sさんに注目しながらの観戦となった。試合中「今日は長いよ」などとジェスチャーを送ってくるなど、余裕を見せる姿に感心していて、内容や勝敗は記憶にない。「猫に小判」の特等席だった。

 終了後、合流して3人で食事となった。乾杯するなり、Sさんが「あのホームラン見てなかっただろ。もったいないな」と言い、先輩が「ちょっとたばこ吸いに行っててね」と返した。驚いていると、今度は初対面の私に「ビール2杯しか飲んでなかったね。遠慮なくもっと飲み食いしてよかったのに」と続けた。

 酒宴に備えてスタジアムでの飲食は控えたのだが、そんなところまで見られていたとは。職業柄なのだろうけど、視野の広さにびっくりした。

 さて、ここから将棋の例えにつなげるのが当欄の定跡で、私が乱用する手筋なのだが、行数が足りなくなってしまった。

 「将棋好きの審判がすごかったはなし」ということで、お許しを。

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