登山ブームといわれて久しい。かつてのように経験を積み、より高く、より困難なルートを目指す本格派が増えているわけではないという分析がある。
一方、自分が好ましいと感じる山に触れ、癒やしを求める傾向が強まったとされる。レジャーとしての登山が定着し、ファッション化が進んだのは確かだ。
山歩きの初心者や、これからステップアップを目指そうとする人には格好のガイド本である。首都圏からアクセスしやすい山を中心に、日帰りできる34コースを選び、紹介している。
全体を「気軽にはじめる山あるき」「この山ならではを楽しむ」「山あるき達成感UP!」の三つのレベルに大別した。それぞれの項目に四つずつ、合わせて12のテーマで楽しみ方のヒントを提供する工夫が凝らされている。
例えば「気軽に-」に挙げたのは(1)神社・寺と山(2)乗り物で登山(3)渓谷歩き(4)プチ縦走-。人気の高い高尾山、県内の大山、鎌倉アルプスなどが並ぶ。
その山の特色や魅力を分かりやすく解説している。アクセス・交通費、四季折々に目を楽しませる花、コースタイムなどを見やすくまとめ、写真も豊富に使っている。水場やトイレといった細かい情報も安心感を与えてくれる。
最終的には登りやすい2500メートル級の高山、雪上ハイキングなどにいざなう構成となっている。
県内では他に弘法山、幕山、三ノ塔、金時山、仏果山・経ケ岳などの案内が掲載されている。
(実業之日本社電話03・6809・0452、1620円)