昭和後期に横浜で発表された現代美術を、所蔵する47点によって振り返るコレクション展「昭和後期の現代美術 1964-1989」が1日、横浜市西区の横浜市民ギャラリーで始まった。17日まで。入場無料。
1964年に開館した同ギャラリーは、89年に横浜美術館が開館するまで、横浜で現代美術の展示と収蔵を担う施設として大きな役割を果たした。特に、現在まで続く企画展「今日の作家展」では、時代や社会を反映する同時代の現代美術を積極的に紹介してきた。
同展に6回出品し、現在も活躍中の彫刻家、菅木志雄(すが・きしお)さんは、物と空間が生み出す複雑な関係性を追求。木材と自然石を組み合わせた作品が並ぶ。
身近な物を通して自己を客観視した画家、吉仲太造さん(1928~85年)の「死の売り声(釘(くぎ)A)」は、新聞紙が隙間なく貼られた上にくぎが並び、静かな迫力が漂う。63年の作品で「オリンピックや高度経済成長に浮かれる当時の社会に対して、冷めた目で見つめる作者の姿が浮かぶ」と同ギャラリーの齋藤里紗学芸員は話した。
会期中無休。午前10時~午後6時。問い合わせは同ギャラリー電話045(315)2828。