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命の危機を追体験してほしい 藤沢市出身の俳優・白石隼也がKAAT舞台に出演

カルチャー | 神奈川新聞 | 2019年1月17日(木) 06:58

俳優デビューから今年で11年。「今、非常に楽しく仕事している」と言う白石隼也
俳優デビューから今年で11年。「今、非常に楽しく仕事している」と言う白石隼也

 藤沢市出身の俳優、白石隼也が、KAAT神奈川芸術劇場(横浜市中区)で19日から始まる舞台「悪魔と天使」に出演する。手塚治虫の生誕90周年を記念し、手塚の漫画「ダスト8」を原作に、限りある命をどう生きるのか、と真摯(しんし)に死生観を問う作品だ。白石は「命の危機にひんしたとき、何を思うのか。作品を通して、見る人に追体験してほしい」と語る。

 豪華列車の大事故で、奇跡的に生き残った8人。それは列車が衝突した「生命(いのち)の山」のかけら「生命(いのち)の石」が、彼らに降りかかったおかげだった。死に神のボスは、同じく事故に遭った海江田沙月と岬慎吾に、二人の命と引き換えに、本当は死ぬはずだった8人から石を取り戻してくるよう迫る。二人は精霊キキモラの力を借り、生還者を探し出して、石を集めていく-。

 岬を演じる白石は「岬は石を奪うことがその人を殺すことになるので抵抗感を持っている。人を殺したくないと行動し、それを正義だと思っているが、他の人から見たら、悪かもしれない」と話す。

 海江田は自分だけでも生きたいと強い執着を持ち、積極的に石を回収する。強気な海江田を、観月ありさがさっそうと演じる。

 生還者らは石を差し出せば死ぬと分かると「渡すのを拒む人もいれば、素直に差し出す人もいる。いろんなキャラクターがいるのが面白い」。死生観を巡って多彩な生きざまが示されるのも、見どころの一つだ。

 「欲を持った人間の恐ろしさと、人間の良心的な部分が描かれている。それはこの作品に限らず、手塚さんが一貫して発し続けたテーマでもあると思う」

 自身は、子どもの頃から映画も本もノンフィクションが好き。だが、フィクションの世界に身を投じている今、その中でしか伝えられないことがあると、フィクションの強みを身に染みて感じている。

 「3・11のときは、都内で電車に乗っていて、もう死ぬのかなと思った。頭に浮かんだのは、家族のことだった。命が危機に面したときに感じることは、体験しないと分からないことが多い。8人は、まさにこうした危機に直面した人々。お客さんには、彼らの人生を追体験して、日常の生活に戻ったときに何か感じてもらえれば」と期待する。

◆「悪魔と天使」は19日~2月3日。チケットはS席9500円、A席6500円、B席4500円。問い合わせはサンライズプロモーション東京電話(0570)003337(午前10時~午後6時)。

 
 

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