明治期に横浜から欧米に輸出された陶磁器・真葛焼(まくずやき)を紹介する施設が10日、横浜市神奈川区栄町のヨコハマポートサイド地区にオープンした。洋菓子店「モンテローザ」を展開する三陽物産(同市中区)社長の山本博士さん(40)が収集したコレクションを展示している。
真葛焼は、1871年に同市南区に開窯した初代宮川香山(1842~1916年)が手掛けた陶磁器。動植物の写実的な彫刻を施した独自の作風が欧米で注目を集めた。明治中期には色鮮やかな陶磁器に作風を転換し、パリ万博で受賞するなどさらに評価を高めた。
山本さんは個人的に収集した香山の作品を南区内で公開してきたが、同社の社会貢献事業として移転することにした。
「宮川香山 眞葛ミュージアム」は約150平方メートル。香山の作品のうち55点を展示。山本さんは「真葛焼から横浜の歴史や文化を感じてもらいたい」と来場を期待する。
土・日曜のみ開館(11日は臨時開館)。午前10時~午後4時。入館料は大人500円、中高生200円、小学生以下無料。横浜駅きた東口から徒歩8分。問い合わせは電話080(3172)8570。
宮川香山が手掛けた150点の作品を紹介する「世界に愛されたやきもの MAKUZU WARE 眞葛焼 初代宮川香山作品集」(山本博士さん編著)は10月末に神奈川新聞社から発売。A4判変型260ページ。3990円。