日本古来の藍色を再現した展示会「藍染めTシャツの魅力」が、川崎市伝統工芸館(同市多摩区枡形)で開かれている。伝統技法で同館スタッフが手作りした。外国人観光客らが微妙な藍色の濃淡を楽しみに訪れている。
かつて市内にあった藍染め工房の「藍がめ」を引き継いだ同館には、直径約70センチ、深さ約90センチのかめ8基が備わる。スタッフ5人が型染め、絞り染め、筒染めの3技法で1カ月ほどかけ19枚を完成させた。
スタッフの佐野彰子さんは「藍染めは農家などで庶民の衣服に使われたが今では高価になった。日本人好みの色を身近なTシャツで味わってほしい」と話す。
日本の文化に触れようとグアムから観光で訪れた女性4人はハンカチの藍染めも体験。デザインや染色の過程を学び、1時間ほどで完成させたドリーン・ブラスさん(61)は、「すごくきれいなハンカチになり、使うのがもったいない」と満足そうだった。
展示は6月18日までの午前9時半~午後5時(月曜休館)。入場無料。Tシャツは展示終了後に購入できる。問い合わせは、同工芸館電話044(900)1101。