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服部宏のシネマパラダイス
繊細、つつましい珠玉のドラマ 「マンチェスター・バイ・ザ・シー」

カルチャー | 神奈川新聞 | 2017年5月12日(金) 15:48

(C)2016 K Films Manchester LLC.All Rights Reserved.
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 いい映画を紹介する時は、心が弾む。「マンチェスター・バイ・ザ・シー」が、それ。過去を乗り越えられなくてもいい、あるがままに受け入れて生きていく-。米アカデミー賞主演男優賞と脚本賞を受賞した珠玉のドラマだ。

 ボストンで便利屋をしているリー(ケイシー・アフレック)は兄ジョー(カイル・チャンドラー)の死を機に、マンチェスター・バイ・ザ・シーに帰る。そこは、二度と戻らないと決めていた故郷だった。

 兄の息子、おいのパトリック(ルーカス・ヘッジズ)の後見人になったリーは元妻ランディ(ミシェル・ウィリアムズ)と会い、悲惨な過去と再び向き合うことになる。

 製作は俳優マット・デイモン、監督・脚本はケネス・ロナーガン。

 冒頭のリーの日常デッサンから、人物描写が光る。仕事はできるが無愛想、酒を飲むと時々キレるリー。屈託を抱えているらしい。現在と過去を交錯させてドラマを故郷に向けて流れるように進める。

 心を閉ざしたリーが、ジョーやパトリックに見せる肉親ならではの感情。演出が繊細でつつましい。打ちのめされたリーとジョーの悲しい抱擁に胸が熱くなり、パトリックとガールフレンドのユーモラスなベッドシーンにホッとする。

 一番の見どころは、リーとランディの再会。おどおどした会話が、徐々に熱を帯びる。罪悪感、後悔。鬱積(うっせき)した思いが火を噴き、ともに心に修羅を抱えていたと分かる。本作でアフレックが主演男優賞受賞。ウィリアムズとヘッジズも、助演女優賞と助演男優賞にノミネートされた。

 再びボストンに戻るリーは、住まいを変えるという。新しい家の間取りについて、リーがパトリックに言うせりふがにくい。

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