横浜出身の俳優・内野聖陽(48)の主演舞台「ハムレット」が「東京芸術劇場 プレイハウス」(東京都豊島区)で始まった。28日まで。
第1幕、第2幕。合わせて185分に及ぶ舞台に、内野は「役者人生をかけている」と意気込む。
ウィリアム・シェークスピアの原作の物語は、デンマーク王室を舞台に、国王であった父を毒殺された王子ハムレットが、亡き父の無念を晴らすため、復讐(ふくしゅう)に燃えるというもの。シェークスピア研究家としても知られるジョン・ケアードが演出を担当。内野とは4度目のタッグになった。
物語の生まれた背景を想像し、書き下ろされた台本には、ハムレットの苦悩、狂気がにじむ。編み上げられた言葉の一つ一つに全力で向かう内野の額には、汗が噴き出す。声色を変えたり、立ち回りを見せたり。役者としていま持っている全てをさらけ出している。
「ジョンから、言葉を選んで作文をするように話して」と念を押された。
膨大な量のセリフに飲み込まれそうになるが、壁は高いほど燃える。「高層ビルとビルの間に張ったロープの上を歩かされているよう」。極限まで自分を追い込んだ先に、「自分だけのハムレットがある」と信じている。共演は國村隼、浅野ゆう子、貫地谷しほり、北村有起哉ら。