1. ホーム
  2. ニュース
  3. カルチャー
  4. 芸能
  5. 演出家・青木豪が手掛けるシェークスピア喜劇「十二夜」

演出家・青木豪が手掛けるシェークスピア喜劇「十二夜」

芸能 | 神奈川新聞 | 2020年2月26日(水) 19:59

都内の稽古場で「いつかKAAT神奈川芸術劇場で上演したい」と熱く語る青木豪(右)。前山剛久は「学生時代、大阪から出てきて住んだのが戸塚。駅近くで住みやすかった」という
都内の稽古場で「いつかKAAT神奈川芸術劇場で上演したい」と熱く語る青木豪(右)。前山剛久は「学生時代、大阪から出てきて住んだのが戸塚。駅近くで住みやすかった」という

 横須賀市出身の演出家、青木豪(52)が手掛けるシェークスピア喜劇「十二夜」が、3月6日から東京・下北沢の本多劇場で上演される。出演者は全員男性。女性主人公バイオラを演じる前山剛久(たかひさ)(29)と青木に作品の魅力を聞いた。

 シェークスピア喜劇の中でも傑作とされる「十二夜」。嵐で船が難破し、双子の兄セバスチャンとはぐれたバイオラ。兄は死んだと思い、男装してオーシーノ公爵に仕える。公爵が恋するオリビアは、バイオラに一目ぼれし、バイオラは公爵を愛するように。やがてセバスチャンが姿を現し、大混乱に陥る。

 青木のユニークな演出の一つが神社での奉納劇という体裁が取られている点。2011年の「ヴェニスの商人」上演が東日本大震災後で、計画停電がある中「いざとなれば神社で奉納される能のようにかがり火でやればいい」との思いがあった。さらに本場英国でシェークスピア劇を上演するグローブ座が野外劇場で、日本らしい野外を考えて神社になったという。

 前山は、見る者の意外性を突く新鮮な演出は青木の持ち味だという。「例えば稽古で、男装しているときのせりふを『格闘家みたいに言ってみて』と言われて。格闘家なんて思いもしなかった。ぶっとんだ感性があって、それに反応できると爆発力が生まれる」

 前山は16年に青木が手掛けた「お気に召すまま」でも男装する女性を演じ、美しいドレス姿で観客を魅了した。「前回は女性と男性のシーンがはっきり分かれていたが、今回はほとんどが男装している女性としての演技。どうしても男っぽくなって難しい」と言うが、稽古を重ねて手応えを感じている様子だ。

 シェークスピアの時代には、出演者は全員が男性。女装での演技は見せ場でもあったのだろう。原作でのバイオラは「歌も芝居も任せて」と見えを切るが、最後まで歌うシーンがない。



 「翻訳の松岡和子さんが女性役の役者が声変わりしてしまい、歌うシーンを後で削ったんじゃないか、と面白い指摘をされた。そこで今回、前山君には歌ってもらうことにした」と青木。役者に合わせた演出で、より初演に近くなったかもしれない。

 「シェークスピアが難解だといわれるのは、現代では通じない400年前の時事ネタや英語ならではの言葉遊びがあるから」。言い換えや大幅なカットで分かりやすくし、スピード感を出した。12年から翌年にかけて、文化庁新進芸術家海外研修制度でロンドンに留学した経験も影響している。

 青木は「グローブ座は立ち見だが、3時間以上もの間、客を飽きさせないつくりになっている。僕らが小手先で遊んだぐらいでは揺るがないし、せりふをカットしても人間の本心は変わらない」とシェークスピア劇の魅力を語る。

 重要なのが「ライブ感と間」。「その場で起きている新鮮さを欠いてしまうと、今まで笑えたところでも笑えなくなってしまう。どこにフックを付ければみんなが新鮮さを感じるのか」を稽古で探っている。

 子どもの頃からアイドルに憧れていたという前山は「アイドルも舞台もお客さんありき。見る人が一人でも違うと本番は変わる。そこに演劇の面白さを感じている」と笑顔を見せた。

 「十二夜」は3月6~22日。全席指定8千円。問い合わせはワタナベエンターテインメント☎03(5410)1885(平日午前11時~午後6時)。

シェークスピアに関するその他のニュース

芸能に関するその他のニュース

PR
PR
PR

[[ item.field_textarea_subtitle ]][[item.title]]

カルチャーに関するその他のニュース

アクセスランキング