15日から横浜ブルク13などで上映。
司馬遼太郎の人気同名原作を映画化し、激動の時代に、日本の行く末に命を懸けた男たちの熱い姿を、新選組副長、土方歳三の生涯を通して描く。
岡田准一=写真手前=が、土方を熱演。岡田は「いつか演じるかもしれない」と思っていたといい、田舎のバラガキ(ならず者)が、いかにして歴史に名を残すカリスマになったのかを、迫真の演技と殺陣で具現化した。
土方が支える局長、近藤勇には、近年、ドラマに映画に引っ張りだこの鈴木亮平=同後列右から2人目。芯のある誠実な役どころが似合う。素行の悪さから土方らが見限る初代筆頭局長、芹沢鴨を伊藤英明=同後列右端。本格時代劇に初挑戦となった山田涼介=同後列左端=は、天才的な剣の使い手で、はかなげな美少年、沖田総司に。各キャラクターが際立つ顔ぶれだ。
暴力と謀略がうごめく世界に清涼な風を吹き込む存在が、土方の恋人で絵師のお雪だ。江戸生まれのしっかり者で、男の帰りをじっと待つだけではなく、自由意思を持つ女性として描かれた。柴咲コウ=同後列左から2人目=のすっきりしたたたずまいがいい。
土方の上京から大政奉還、五稜郭の戦いと話はどんどん進む。有名な池田屋事件では、池田屋を中心に全長125メートルに及ぶ町並みを再現。当時の刀傷が今も近くの橋に残るが、狭い屋内での激しい戦いぶりと緊迫感が伝わる屈指の名場面となった。
監督・脚本/原田眞人
製作/日本、2時間28分