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一流バレエダンサー柄本弾に聞く舞台の魅力

芸能 | 神奈川新聞 | 2021年9月10日(金) 12:11

「もっとバレエを見に行く人が増えてほしい」と話す柄本弾。バレエへの関心を誘おうと出演したNHKの語学番組「旅するフランス語」(2019~20年)は好評だった

 横浜市内で開催中のダンスの祭典「ダンス・ダンス・ダンス@横浜」には、一流のバレエダンサーが集まる。18日に県民ホール(横浜市中区)で行われる「International Choreography × Japanese Dancers~舞踊の情熱~」に出演する東京バレエ団のプリンシパル、柄本弾(31)もその一人だ。舞台の魅力を聞いた。

 同ステージでは、国内外で活躍する日本のトップダンサーが集結し、世界的な振付家の作品に挑む。例年なら世界各地に散らばっているダンサーらが、コロナ禍で日本に滞在している現状を逆手に取った、今だからこその企画といえる。

 「こんなに多くのダンサーが集まって、これだけ違う振付家の作品を一度に見られる機会は他にない。自分の出番以外は、舞台袖でずっと見たい。いや、絶対見ます」と柄本。

 同じ東京バレエ団のプリンシパルでパートナーを組むことが多い上野水香(鎌倉市出身)と共に、マスネ作曲のバイオリンによる美しい旋律に乗せ、ローラン・プティ振り付けの「タイスの瞑想(めいそう)曲」を披露する。

 「男性目線での見せ場は(女性を持ち上げる)リフトが多いところ。流れるような曲で、いかにとぎれさせずに踊るか。派手さは少ないが、難しい」

 自身の持ち味は「演技やサポート」だという。「女性をサポートする面では誰にも負けたくない」と負けず嫌いの顔をのぞかせる。そうした得意分野を生かせるような役にもチャレンジしたいと意欲を見せる。

 「主役だけでなく、『白鳥の湖』ならロットバルト、『くるみ割り人形』ならドロッセルマイヤーのような主役を食うような役も任せてもらえれば。自分が出ていることで『舞台が締まるよね』と思わせられるようなダンサーになりたい」

8月29日「横浜ベイサイドバレエ」での「ボレロ」(撮影・瀬戸秀美)

 「ダンス・ダンス─」の開幕を告げた8月29日の「横浜ベイサイドバレエ」では、港の夜景を背に野外ステージで「ボレロ」を踊った。「風を感じたり、観覧車が目に入ったりと、特別な舞台。ただ、上を見たままステップを踏む場面が多く、見えるのはきれいな星空だが、劇場と違って基準になるものがない。自分がまっすぐ立っているか分からなくなる」と困難な側面もあると明かす。

 円卓上でエネルギッシュに踊るソリストの「メロディ」と、その回りで踊るダンサーたちの「リズム」から成るボレロ。メロディを踊れるのは許可を受けたダンサーだけで、日本人男性では柄本だけだ。メロディ役のデビューを飾ったのは2015年の「横浜ベイサイド─」だった。急に小雨が降り出し、滑らないように必死。力を出し切ることができず悔しい思いをしたが、18年、今年と続けて踊り、リベンジできた。

 昨年は、緊急事態宣言を受けた自粛期間が明けて久しぶりに舞台に立ち、バレエの魅力を再認識した。

 「お客さまの拍手を普段以上に大きく感じ、『舞台を見て、明日からまた頑張れる』と言ってもらえた。バレエには人の心を癒やせる力があると思えた」

 「International Choreography × Japanese Dancers~舞踊の情熱~」は18日午後3時開演。S席1万円ほか。問い合わせはDDDチケットセンター、電話045(453)5080。

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