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【シネマ散歩】
【ドライブ・マイ・カー】喪失感抱えた男の再生

芸能 | 神奈川新聞 | 2021年8月19日(木) 13:39

 20日からTOHOシネマズ上大岡などで上映。

 川崎市出身の濱口竜介監督が、ここ数年、世界の映画祭を席巻中だ。先月行われた第74回カンヌ国際映画祭では、本作で脚本賞を受賞した他に、各国の映画評論家らが選ぶ国際映画批評家連盟賞など三つの独立賞を受賞。世界的に注目されている。

 主人公の家福(かふく)(西島秀俊=写真左)は俳優としても活動する舞台演出家。妻の音(おと)(霧島れいか)との生活は満ち足りていたが、音の秘密に気付いた直後、彼女は急死してしまう。

 2年後、演出を手掛ける広島での演劇祭に愛車でやって来た家福は、主催者の意向で用意された専属運転手のみさき(三浦透子=同右)と出会う。ある過去を抱えた寡黙なみさきとの交流が自然と深まるうちに、喪失感に満ちた家福の心に変化が生じる。

 演劇祭で演じられるチェーホフの芝居が、他者への理解や絶望、再生への希望といった家福の心境を反映して秀逸。謎めいた音と共に、家福を尊敬する若手俳優、高槻(岡田将生)の唐突感に満ちた言動が、人間の不可解さを印象付ける一方で、聴覚障害のある韓国人の俳優とその夫で演劇祭を支えるスタッフの温かい関係に救われた。

 村上春樹の短編を原作に、オリジナル要素を巧みに盛り込んだ濃密な人間ドラマ。長尺で濃厚な内容ではあるが、重すぎてもたつくことはない。スピード感のある展開で、物語の中に入り込む感覚に陥った。

監督/濱口竜介
製作/日本、2時間59分

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