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現代に警鐘 ホロコーストテーマの映画、相次ぎ上映

芸能 | 神奈川新聞 | 2021年7月21日(水) 20:31

 ナチス・ドイツによるユダヤ人の大量虐殺(ホロコースト)をテーマにした映画が相次いで上映される。過去の歴史を見つめ直すことで同じ過ちを繰り返さないように、と現代に警鐘を鳴らしている。

 「復讐(ふくしゅう)者たち」は1945年、戦後間もないドイツが舞台。ユダヤ人収容所から生還したマックス(アウグスト・ディール=写真)が、妻子がナチスに惨殺された事実を知り、苦悩しながら生きる姿を、実話を基にして描く。

 ナチスの残党をひそかに処刑している英国軍所属のユダヤ旅団と知り合い、行動を共にするマックス。やがて、ドイツ人600万人への復讐を企てるユダヤ人組織「ナカム」の存在を知る。「目には目を」と過激で大がかりな復讐計画を立てる組織。マックスは果たして加担するのか-。

 「何の罪もない家族や友人を殺されたら、あなたはどうしますか」と見る者に問い、戦争で大切な人々を失いながら、今も生きている多くの人々の胸中が思いやられる作品だ。この復讐計画は、実際にあったものだという。監督・脚本はドロン・パズ、ヨアブ・パズ。1時間50分。川崎チネチッタなどで23日から上映。

 「アウシュヴィッツ・レポート」は、「アウシュヴィッツ=ビルケナウ収容所」から脱走した青年たちが、収容所の過酷な実態を赤十字を通して明らかにした実話に基づく。44年4月、スロバキア系ユダヤ人の青年2人が収容所を脱走。「1分間に2人が死んでいる」という悲惨なホロコーストの実態を、国際社会に訴えるためだった。

 実際に、2人がつづった32ページに及ぶ報告書によって、12万人以上のユダヤ人が同収容所に強制移送されるのを防いだという。この報告書の通称が作品のタイトルとなっている。

 収容所に残された人々が受ける仕打ち、国境を目指す2人の逃避行、どちらも目を背けたくなるほど過酷な状況が描かれている。

 スロバキア人のペテル・ベブヤク監督は、欧州全土でファシスト思想を持つ政党を支持、容認する人々が増えていることに危機感を抱き、「私たちは、先人たちの過ちを繰り返してはならない」と訴える。1時間34分。Kino cinema横浜みなとみらいで30日から、川崎アートセンターで順次上映。

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