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【シネマ散歩】
【茜色に焼かれる】最後に残ったぬくもり

芸能 | 神奈川新聞 | 2021年5月14日(金) 14:25

 21日からTOHOシネマズららぽーと横浜などで上映。

 人間の生きざまに肉薄する作品を手掛けてきた石井裕也監督が、息苦しい現在の世相を真正面から描き切った人間賛歌。シングルマザーの主人公をエネルギッシュに演じた尾野真千子=写真=の表情に引きこまれる。

 田中良子(尾野)は13歳の息子・純平(和田庵(いおり))と公営住宅で暮らしていた。夫は7年前、認知症の男性が運転する車にはねられ死亡。ある理由で賠償金は受け取らず、花屋と風俗店で働いていたが生活は苦しかった。義父が入所している施設の費用や、夫と他の女性との間に生まれた子どもの養育費用まで支払っていることに、風俗店の同僚・ケイ(片山友希)は驚く。

 気丈に振る舞っているが、何を考えているか読めない母親を純平はいぶかしむ。しかし、その愛情に応えようと学校でのいじめにも耐えていた。ある日、泥酔した母親を迎えに行った純平はケイに出会って一目ぼれ。良子も数年ぶりに会った同級生と恋に落ちるが、風俗店を辞めて真剣な交際をしようと心に決めた直後に振られてしまう。追い打ちをかけるように花屋を解雇された良子は思わぬ行動に出る。

 怒りを表現しなかった良子が「苦しんで生きることに意味があるのか」と独白するシーンは圧巻。風俗店の店長を演じた永瀬正敏の温かい存在感も強く印象に残る。コロナ禍でも太陽のぬくもりを信じ、強く生きる親子の姿に勇気をもらえる。

監督/石井裕也
製作/日本、2時間24分

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