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林家つる子インタビュー お客さまを温かい気持ちに

芸能 | 神奈川新聞 | 2021年5月13日(木) 13:11

正蔵に優勝を報告すると、優勝のお祝いとして着物の帯を贈られたという。「いつか落語で師匠に恩返ししたいと思っていたので、とてもうれしかったし、ありがたかったです」=東京都内(撮影・立石祐志)

 3月に開催された、第20回さがみはら若手落語家選手権本選会で林家つる子が優勝した。二つ目の中でも人気のある実力者ばかりが集まる中、「結果を考えず自分の高座に集中した」結果が大きな喜びをもたらした。

 本選会で披露したのは、師匠である九代目林家正蔵直伝の「しじみ売り」。口入れ屋の稲葉屋清五郎が、シジミを売る少年・長吉から身の上話を聞き、以前若い男女に情けをかけたことがあだとなってしまったことを知る人情話だ。「師匠が演じる長吉はかわいらしく、そのいじらしさが心に染みる。師匠からは『実際に家族が困窮し、つらい境遇にある子どもほど周囲に気を使って明るく振る舞うことが多いものだよ』と言われ、その部分も意識しながら演じました」と明かす。他の出場者が会場を爆笑させる中、温かい明かりがともるようなつる子の落語が、コロナ禍の不安を抱える観客の心を捉えた。

 昨年の春風亭一花に続き、女性落語家が2年連続で優勝。「女流の落語家はまだ少ないのですが、みんなで結束して、切磋琢磨(せっさたくま)しながら頑張ろうという雰囲気がある。一花さんとも、良い流れができていくといいねと話しました」と顔をほころばせる。

 落語に初めて触れたのは中央大学の落語研究会。高校時代に熱中した演劇を続けたいという気持ちもあったが、「落語はすべての人物を1人で演じ、演出も自分次第という『究極のエンターテインメント』。江戸時代の人と笑いの感覚が変わらないことも面白くてのめりこんでいきました」。

 大学卒業後は「高座での華があり、優しく謙虚な人柄がにじみ出ている古典落語にひかれ」、正蔵に入門。現在は古典落語にじっくり向き合いながら、女性の視点から落語を作り替える試みにも挑戦中だ。

 仕事に身が入らない夫が財布を拾って豪遊した翌朝、妻は「財布なんて知らない」と言い張り、夫を改心させる名作落語「芝浜」では「おかみさんがなぜ『夢でも見たんだよ』と言ったのか想像し、補足してみたら共感する声も頂けた。女性ならではのアプローチも、今後さらに深めていきたいですね」。

 若年層にももっと落語を知ってもらおうと、自身のYouTube(ユーチューブ)チャンネルでは落語だけでなく、ロックバンド「気志團」のワンナイトカーニバルのメロディーにのせて「芝浜」の内容を歌うなど、アイデア満載の動画を配信。落語ファン以外からのリアクションも増えているという。「落語の動画配信はコロナ禍で一気に増えた。ベストな形ではないけれど、落語への入り口が広がったのではないでしょうか」

 今後目指すのは「見た人が元気になる落語」。「つる子ならでは、という持ち味を確立して、お客さまに温かい気持ちになってもらえる落語ができるようになりたいですね」(太田 有紀)

◆「鳥獣魚画の会 第22回」落語居酒屋・ライブバーこまむ亭(横浜市保土ケ谷区)、26日午後6時開演。出演・林家つる子、瀧川鯉丸、金原亭馬久。木戸銭2500円。問い合わせは同店、電話070(6518)5151。

◆「しろやま寄席~特別編!つる子・昇也・一花 揃い踏み~」もみじホール城山(相模原市緑区)、7月23日午後2時開演。全席指定千円で5月15日から発売。チケットはチケットMove、電話042(742)9999。

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