5月7日から横浜ブルク13などで上映。
英国で長年、大麻の大量栽培と販売を取り仕切り、莫大(ばくだい)な財を築いた米国人ミッキー(マシュー・マコノヒー=写真右)。大麻ビジネスを売却して引退を考えるが、総資産約500億円といううわさに、ユダヤ系米国人の大富豪やゴシップ紙の編集長、中国系マフィアらが、群がってくる。
そんな中、ミッキーの犯罪の証拠を集めたという私立探偵フレッチャー(ヒュー・グラント)が、ミッキーの頼れる右腕レイ(チャーリー・ハナム)を脅迫する。
パブでくつろぐミッキーの背後から銃弾、と冒頭から一気に引き込まれるスピーディーな展開。フレッチャーが狂言回し的な立ち位置で、彼がシナリオを書いたミッキーを巡る映画のストーリーをなぞる場面も。ユーモアのある演出だが、どこまでが空想か、と見る方の頭はフル回転だ。フレッチャーとレイのやりとりは、ウイットに富んだシュールな会話劇で目が離せない。
大麻の栽培方法には、貴族階級という英国ならではの社会制度が組み込まれており、リアルな設定に納得。
ヒューをはじめ、だまし合いを繰り広げる俳優陣の“うさんくさいおじさん”ぶりが違和感なく、年月を感じてしまった。ドラマ「ダウントン・アビー」で貴族令嬢を演じたミシェル・ドッカリーが、ミッキーの妻に=同左。強気に突っ走るユニークな姿を見せている。
監督/ガイ・リッチー
製作/英・米国、1時間53分